約 2,655,634 件
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/593.html
「ちょっと違った未来」 ※原作IF 京介×桐乃 朝の光が眩しい。どうやらレポートを書き上げるとそのまま寝てしまったようだ。 授業は午後から。それでも毎朝定時に起きてしまうのはそれまでの習慣からか。我ながら怠惰な性格だと思っていたが意外や意外、割ときっちりしているらしい。 「飯にすっか。」 白米をよそって適当におかずを冷蔵庫から取り出す。それを朝食としながら午前の行動を考える…うん、図書館で勉強でもしよう。 俺の名は高坂京介。今年大学4年生になる。 もともと高校も地元の高校に通っていたし、大学も無事地元の国立大学に合格した。しかも法学部に受かるというちょっと意外な結果だった。 これには両親、親父とお袋も大いに喜んでくれ、かねてから考えていた一人暮らしの用意もしつつ俺の人生は色鮮やかなものとなっていた。 真奈美や赤城とは学部が違ってしまったのはさびしい気がするけれど、今でもたまに一緒に食事をしたり遊びに出かけたりする。付き合いはあの頃から全然変わっていない。 変わったのは―――俺と家族、とりわけ桐乃との関係だ。 大学合格の通知が届いた時、家族は総出で祝ってくれた。お袋はもちろん、親父もいつになく笑みをほころばせ嬉しそうに話しかけるのだ。よかったな、京介と。 とりわけ驚いたのは桐乃だった。いつもどおりの悪態はどこへ、大はしゃぎしながら携帯でメールを打つ。そうしたらすぐに俺の携帯にメールが届いた。 黒猫に沙織、あやせに加奈子、瀬菜からのお祝いメール。今でも思う。いい友達を持ったと。 その日は家族でお祝いに外食に向かった。少し高級そうなイタリア料理店で親父が勝手がわからんとばかりにときおり「むう…」と言っているのがほほえましかった。 桐乃の選んだ店で、前々から一度来てみたかったんだと。 その日はとても楽しかった。いつもより家族の団欒が暖かかったのは錯覚じゃなかったと思う。 数日後親父に呼び出された。大事な話があるからと。親父の部屋に入るとお袋も座っており、俺も礼にならって姿勢を正しつつ椅子に座る。 そこで聞かされたこと―――それは俺は親父とお袋の血が繋がった子供ではないということだ。 18年前親父は刑事の試験に合格したばかりの新人で、半人前の域をでない新米刑事だったという。そこで親父の教育係としてきたのが、俺の本当の父親に当たる人だという。 親父が刑事として初めて配属されたのが殺人等を扱う課で初めて任された事件が銃殺による殺人事件だった。そこで親父とその先輩刑事、俺の本当の父親は重要参考人として任意での事情聴取を行うべくその家に出向いた。だが、それがまずかった。 犯人と思わしき者は激昂、銃を親父に突きつけた。そのまま親父は死を覚悟したらしいが血を流して倒れていたのは先輩刑事だった。 そのまま犯人は取り押さえられ、殺人の罪で刑務所へと収監された。 親父は自分の身代わりになった先輩のことを思うと涙が止まらなかったという。だが、それで終わりではなかった。その先輩には子供がいたのだ。名は京介。 先輩刑事の妻、俺の本当の母親に当たる人は俺を生むと同時に息を引きとり、しかも身寄りもなかった。親戚はいたが疎遠で、葬式の時は子供の引き取りにそ知らぬ顔であった。無理もないと思った。ほとんど知らない他人当然の親族の子供を誰が引き取るのか。しかし親父は逆に光に見えたという。 この子を代わりに育てる。妻も賛成してくれ二人で京介を育てる決意をした。 初めは罪滅ぼしの気持ちが強かったがやはりはじめての子供というのか、俺を実に可愛く思えたという。 その3年後、桐乃が生まれた。 その話を聞いてからの数日はよく覚えてない。正直その話ばかりが頭にぐるぐる回っていた。だが、怒りや憎しみなんてなかった。 俺は親父とお袋に感謝していた。お袋だって普段あんな言葉を取るがそれが息子への愛情の裏返しだってわかってる。親父だってそうだ。俺と桐乃に血のつながりなど関係なく公平に接してくれた。そうでなければあの話を打ち明けてくれたときあんなにも優しい目を二人ともしていたわけがない。今だってそうさ。感謝している。 問題は桐乃だ。 俺は桐乃にたいしてどう接していいのかわからなくなった。今まで兄として桐乃と付き合ってきた。だが血が繋がってないと知ったとたんそれが何を意味するのか。俺の心の底に蠢く黒い塊はとても抑えられそうになかった。 俺は桐乃から逃げるように家を出た。 (少し昔のこと思い出しちまったな。) あれから家には夏の盆や正月以外帰っていない。が、連絡はよくし合う。というより帰りづらい。なぜなら、 「兄貴~来たよ~。って、もう起きてんの?」 まあ、こういうことである。 あの後俺の行動を不審に思ったのか、俺のアパートに桐乃が押しかけてきた。俺は話をはぐらかそうとしたが、桐乃は全て知っていたらしい。 「アメリカ留学の時にね、兄貴が養子だってわかっちゃった。」 その後どちらが先にお互いを求めたのか、よく覚えていない。恍惚の中桐乃は俺への想いを口にした。ずっと好きだったと。誰にも取られたくなかったと。 俺も精神的にすこしきていたのかもしれない。それまで抑えていた桐乃への想いを口にしつつお互いを貪り合った。それは獣のようでお互いに初めてとは思えなかった。 そのあともたびたび桐乃は俺のアパートを訪れた。悪態をつきつつ世話を焼いてくれ、お互いの愛を確かめ合う。そんな日々が丹念に積み重ねられた。
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/529.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1308729425/757-778 八月の初旬。 俺は妹を流星観察に誘った。 「ペルセウス座流星群?」 「ああ、名前くらい聞いたことあるだろ?」 「……知らない」 「そうか?流星群の中じゃ結構有名なんだぜ?」 「だから、知らないって言ってるじゃん。バカにしてんの?」 「バカになんかしてねーよ。とにかく、一緒に見に行かないか?」 「……なんで?」 「あん?」 「なんであたしを誘うの?」 「兄貴が妹を誘うのに、理由がいるかよ」 「大学で気になってる女の子でも誘えばいいじゃん」 「生憎、俺の周りには一緒に星を観に行ってくれるような女がいなくてな」 「ふぅん。それで、妹のあたしを慰み者にするんだ?」 「ネガティブ思考も大概にしとけよ。 行きたくないならハッキリそう言え」 「だ、誰もそんなこと言ってないじゃん」 「お前、さっきから、のらりくらりと質問かわしてばっかりじゃねーか。 行くのか?行かないのか?どっちなんだよ」 「あたしは……兄貴がどうしてもあたしと一緒に行きたいって言うなら、行ってあげてもいいケド?」 「はぁ……俺はどうしても、お前と一緒に行きたい。どうだ、これで満足か」 「………………うん」 「日時は明後日の夜。車で迎えに行く。 着く直前にメール送るから、玄関先で待っててくれ」 「……あ、あのさ。流星群は、あたしたちだけで観に行くの?」 「そのつもりだ。大所帯で観に行くようなモンでもねえしな。 なんだ、誰か誘いたいヤツでもいるのか?」 「ううん。あやせも加奈子も、その日は予定があって忙しいって言ってたし……」 「そっか。じゃあ、明日の朝早いから、切るぜ。おやすみ、桐乃」 「うん。……おやすみ、兄貴」 携帯電話を充電器に挿し、ベッドに寝転がる。 耳を澄ませば、隣の部屋から桐乃の声が聞こえるような気がした。 でも、それは錯覚だ。 ここは安普請のアパートの一室。両隣に住まうは赤の他人。 今年の春から、俺は一人暮らしをしている。 大学への通学時間を短縮するため。 自由気儘な独身生活を満喫するため。 理由はいくつか挙げられるが、最後に背中を後押ししたのは、やはり、妹の存在だった。 ――『どうして、何も言ってくれなかったの?』―― 耳許で蘇る、湿った声。 ――『嘘でしょ?ねえ、嘘って言ってよ』―― 碧眼が潤み、涙が頬を伝う光景は、今でも瞼の裏に焼き付いている。 ――『やだっ、取り消して!無かったことにして!』―― 痣が残っているわけでもないのに、叩かれた胸が痛んだ。 家を出てから、もう四ヶ月が経というとしている。 時の流れを早く感じるのは、充実していた証だろうか。 大学、バイト、一人暮らし。 環境の変化に追われて、慣れることで精一杯だった。だから、過去を顧みる余裕がなかった。 違うだろ、と誰かが心の裡で言った。 順序が逆だ。お前は過去を顧みることを避けていた。だから、忙殺されることを望んだ……。 「……もう、許してくれてるよな」 独りごちて、目を閉じた。 その夜、俺は久しぶりに、ガキの頃の夢を見た。 時は流れ二日後。 バイトを早上がりさせてもらい、俺はその足で実家に向かった。 車は中古のトールワゴン。無数の擦り傷はご愛敬。 『あと五分で着く』 と桐乃にメールを送ると、 『お母さんとお父さんに会ってけば』 と返ってきた。 そこから一度も赤信号に遭わなかったために、返信することなく自宅に到着する。 遠目に見えた三つの人影は、お袋と、親父と、桐乃だった。 助手席側の窓を開けて、俺は言った。 「一家総出かよ。大げさだな」 お袋が言った。 「あんたねえ、夏休みくらいは顔を見せに帰ってきなさいよ。 あたしはそうでもないけど、お父さんなんか京介が出てってから、ずっと寂しそうにしてるんだから」 「なっ、でたらめを言うな!」と親父が慌てて否定する。 「ほらね?」 親父は咳払いを一つ、衰え知らずの眼光で俺を射貫くと、 「……京介、学生は学業が本分であることを忘れてはいないだろうな」 「酒にもギャンブルにも溺れてねえよ」 もちろん女にも、な。 「健康には常に気を遣え。体が資本だ、若い内は特にな」 「へいへい」 いい加減、電話で耳にタコができるほど聞かされたセリフだ。 なんだその返事の仕方は、ちゃんと分かっているのか、と憤慨する親父を宥めながら、 「気を付けて行ってらっしゃい」 とお袋が桐乃の肩から手を離した。 コクリ、と肯く桐乃の様子は、まるで借りてきた猫のよう。 「くれぐれも危険のないようにな」と親父。 「あんたが変なことしちゃダメだからね」とお袋。 「分かってるっつーの。……行ってきます」 桐乃が乗り込んだことを確認し、俺は車を発進させた。 バックミラーに映る親父とお袋の姿が、どんどん小さくなっていく。 今度バイトの休みをもらって、ゆっくり帰省するか……。 そんな思いを巡らせつつ、俺は助手席の寡黙な妹に話しかけた。 「今日は随分とめかし込んでるな」 「……悪い?」 「悪かねーけど、お前、これからどこ行くか、ちゃんと分かってんのか?」 「知らない。ていうか、あんただって教えてくれなかったじゃん」 「星を見るなら、光害の少ない田舎と相場が決まってんだよ」 ファッションセンスを競い合う都会の街角じゃねえぞ。 それに、いくら夏とは言え、あんまり露出度の高い格好は感心しねえな。 大きく胸元が開いたシャツも、ピチピチ丈のミニスカートも、 ちょいと派手な動きしただけで、大事な部分が見えちまうぞ。 「うっさい、エロい目で見んな! あたしがどんな服着ようが、あたしの勝手でしょ? それよか、あんた、他に言うことがあるんじゃないの?」 「……髪、黒に戻したんだな」 「反応遅すぎ」 「気づいてなかったわけじゃねえよ。 お袋からも電話で聞かされてたしな。 にしても、いったいどういう心境の変化だ。 俺は茶髪の時より、今の方が断然好みだけどよ?」 「べっ、別に、あんたを喜ばせるために戻したワケじゃないし! これからは清純系がウケるってプロデューサーの人に勧められたから、その通りにしただけ」 じゃ、俺はその人に感謝しねえとな。 ついでに清純系の流行が長続きしますように、と祈っておくか。 県道に入るためにハンドルを切ると、ふと、左手の甲に視線を感じた。 「……車の運転、もう慣れたんだ」 「そりゃあ、毎日使ってるからな。 ついでに言うと、料理の腕もかなり上達したんだぜ」 「ドヤ顔で言うのやめてくんない?」 「毎日自炊してんだ、少しくらい自慢してもいいだろ。 お前もモデル業に飽きたら、俺みたいにキッチンで働けよ。嫌でも腕が上がるぞ」 その前に客の苦情で辞めさせられなければ、の話だがな。 桐乃が作った料理の不味さは、実兄の極書つきだ。 「モデルの仕事に飽きるとか有り得ないから。 ていうか、なんでこのあたしが暑苦しい厨房に立たなくちゃならないワケ? フツーに考えて、ウェイトレスでしょ?適材適所って言葉知ってる?」 「料理が出来ない女は、いい嫁さんになれねえぞ。 花嫁修業だと思ってやってみたらどうだ」 「女の子は可愛ければ、結婚できるし。 それに……料理ができなかったら、料理ができる男捕まえればいいだけじゃん」 なんつー安直な思考回路だ。 しかし桐乃が中学の頃と比べ、さらにワンランク上の美貌とプロポーションを手に入れているのは事実、 このまま順調に歳を重ねれば、成人する頃には男を侍らす小悪魔系女子になっていること請け合いである。 同じ母親の腹から生まれたってのに、俺とはえらい違いだよな、まったく。 懐かしの劣等感に溜息を吐きつつ、俺は言った。 「高校はどうだ。楽しくやってるか」 料理下手をからかわれたことをまだ根に持っているのか、 「お父さんみたいなこと、訊いてこないでよ」 と桐乃はつれないことを言う。 「妹の学校生活を気に掛けるのは、何も親父だけの特権じゃねえだろ」 「さっきみたいなアバウトな質問が、一番答えにくてウザいの」 「じゃあ、質問を変える。高校生入ってから、何人に告白された?」 「ちょ……いきなり何聞いてきてるワケ!?」 「可愛い妹を持つ兄として、至極まっとうな疑問だろうが。ほら、言ってみ」 「……手紙とかメールとかも合わせたら、十人くらいかな」 俺は堂々のゼロ人だというのに。 ここに顔面偏差値による格差社会の縮図を見た。 「で、返事はどうしたんだ?」 「全部断ったに決まってんじゃん」 桐乃は声を尖らせて言った。 「前に言ったよね? 最低でも三つ以上年上の男じゃないと、あたしの眼中には入んないって。 いきなり告白とかしないで、普通に喋りかけてくる男もいるケド……。 下心見え見えで、相手にしてらんないっつーの」 「お前な……、その調子じゃいつまで経っても男の友達できねえぞ」 「できなくていい」 即答かよ。 「あの、さ……、仕事場でもそういうの、全然ないから。 変なのが寄ってきても、先輩が追い払ってくれるし……あたしも隙見せないからね」 「仕事と言えば、この前、御鏡がお前の仕事ぶりを誉めてたぞ」 「御鏡さんと?この前って、いつの話?」 「先週、一緒に飯を食った時の話だ」 「御鏡さん、あたしのことなんて言ってた?」 「んー、そうだな……お前が毎回質の高い仕事して、エタナーブランドの売上に貢献してくれてる、とか、 これからも良き仕事のパートナーとして、趣味を語り合える友達として、末永く付き合いたい、とか」 「……なんか、照れる」 「お前はどう思ってるんだ、御鏡のこと」 「どうって、すっごくいい人だよ。 新作できたら、一番にあたしのところに持ってきてくれるし、 仕事場で趣味を明け透けに話せる、唯一の人だし……」 「それだけか?」 「……言っとくけど、あの時みたいなことは、有り得ないから。 御鏡さんには好きな人いるし、あたしにもそういう気持ちはない。これっぽっちも」 車中に微妙な沈黙が立ち込める。 ストレートに探りすぎたか、と後悔したそのとき、桐乃が砕けた調子で言った。 「てか、さっきからあたしが質問されてばっかりじゃん。 兄貴は、大学どうなの?」 「お前、さっき自分が言ったこともう忘れてるだろ」 「あっ、ごめん。……兄貴は確か、地味子と同じサークルに入ってるんだよね」 「そのこと、お前に話したっけ?」 「お母さんが言ってた」 なるほど。 「でも、正直ありえなくない?サークル、文芸系でしょ?創作とかできんの? 兄貴は運動系の緩いトコ、地味子は料理同好会にでも入ると思ってたんだケド」 「最初はお互い、そのつもりだったんだけどな、 それじゃあ余りに接点が無くなるってことで、一緒に無難なところを選んだんだ。 俺も麻奈実も、サークルじゃ専ら読み手に回ってるよ」 「ふぅん。……兄貴と地味子、学部は別々なんだよね」 「ああ」 「前から聞きたかったんだけど、なんで同じ学部に入らなかったの?」 「それは聞くな」 同じ地元の大学に通う――麻奈実との約束を果たすため、致し方なく取った安全策だ。 「他に、高校から一緒に行った人、いないの?」 「瀬菜の兄貴も一緒だぞ」 「その人の学部は?」 「麻奈実と同じところだ」 「……兄貴、その人に地味子取られちゃうかもね」 「ハハ、なにバカなこと言ってんだ」 と笑い飛ばしつつも、それはない、と言い切れないのが苦しいところである。 『どうすれば田村さんの気を引けるんだ?』と赤城に泣きつかたのが先日の話、 なげやりに答えた『和菓子屋巡りでも誘えよ』の一言をあいつが真に受けていれば、 近日中には麻奈実から、『京ちゃんどうしよう、赤城くんからね……』と相談電話がかかってくるはずだ。 高二の時から麻奈実が気になっていた、と赤城に聞かされた時は心底ビックリしたっけ。 おかげで俺は今、恋のキューピッドなんて柄でもない役回りを押しつけられている。 「大学でも、あんたと地味子の関係、周りから誤解されまくりなんじゃない?」 「まあな。でも、その都度、ただの幼馴染みだってちゃんと説明してる。 それに色眼鏡で見られるのは、中学、高校の時から慣れっこだしよ」 「……兄貴、サークルで、あんまり女の子から話しかけられないでしょ?」 「どうしてそう思う?」 「フツー遠慮するって。彼女じゃなくても、彼女みたいな女があんたの隣にひっついてたら」 「そうかぁ?俺も誤解されないように、ちっとは努力してんだぜ」 「例えば?」 「具体例を挙げるのは難しいな」 「ぷっ……全然努力できてないじゃん」 桐乃は小馬鹿にするように笑い、話題を変えてきた。 「ね、兄貴のバイト先って、大学から少し離れたところにある居酒屋だよね」 「ああ」 「今度、撮影で近くまで行くんだけど……、寄ったら、何かサービスしてくれる?」 「バカ、居酒屋は高校生が来るようなところじゃねーよ。 そもそも、俺はキッチンで仕事してんだ、お前が来ても分からないと思うぜ」 「大きな声で兄貴の名前を呼んだら、聞こえるんじゃない?」 「恥ずかしいからやめろ」 「冗談だって。……ね、兄貴が一緒に働いてる人って、どんな人たち?」 「んー、厨房はおっさんと、俺と同い年か、少し上くらいの男ばっかだな。 ホールは店長の趣味で、若い女の子で固められてる」 「……バイト上がりに、みんなでどこか遊びに行ったりするの?」 「いいや。毎日鬼のように忙しくて、上がる頃にはクタクタで、遊ぶ体力なんて残ってねえよ」 「ホールの子たちと、話したりはしないんだ?」 「事務的な会話ばっかりだ。キッチンの奴らとは、だいぶ打ち解けてるけどな」 「……あんたさぁ、知らない間に何かやらかして、ホールの子たちに嫌われてるんじゃないの?」 「なわけねーだろ。 店長曰く、俺が入るよりも前から、ホールとキッチンは仲が悪かったんだとよ。 ホール側からしたら、新人の俺に罪が無くても、キッチン側にいるってだけで、 話しかけにくいところがあるんじゃねえ?」 と信じたい。 「ふぅん、そうなんだ。 残念だね、大学でもバイト先でも女の子と話す機会がないとかさぁ」 残念がってくれている割には、声からまったく同情の念が感じ取れないんだが 「一昨日に電話で言ってたコト、嘘じゃなかったんだね」 「なんの話だ?」 「兄貴の周りには、一緒に星を見に行ってくれるような女がいない、って話」 「…………」 実を言えば、新しくできた女の知り合いには、誘えば肯いてくれそうな候補が二人いた。 サークルで、好きな作家が同じで話が盛り上がった同期の子と、バイト先で、帰りが一緒になったホールの子。 が、それを明かせば、桐乃が機嫌を損ねるのは目に見えている。 「どうしたの?急に黙り込んで」 「別に。運転に集中してただけだ。 そういやお前、最近は沙織や黒猫と、連絡取ってるのか?」 「沙織は受験勉強で忙しいみたいだから、たまにだけど、黒猫とはほぼ毎日電話で話してるよ」 「ほー、ラブラブだな、お前ら」 「いいじゃん、友達なんだから」 黒猫が松戸市に引っ越して以来、桐乃と黒猫は、互いに素直になることを覚えたようだった。 呼び方も「黒いの」から「黒猫」へ、「ビッチ」から「桐乃」へと変わり、 さっきのように、逡巡無く相手を友達と認めるデレっぷりである。 「兄貴はどうなの?沙織や黒猫と連絡取ってる?」 「や、最近は全然だな。 沙織はお前も言った通り、受験で忙しそうだから遠慮して、黒猫は……」 「……黒猫は?」 「俺さ、今あいつから着拒食らってんだよ」 「へ?それ初耳……なんで? あんた、何か黒猫怒らせるようなことした?」 「さあな。今度電話したときにでも、聞いといてくれよ」 「な、何その言い方。自分で聞かなきゃ意味ないじゃん。 後であたしの携帯貸すから……」 「いいって」 知らず、語気が尖っていたのか、桐乃が萎縮する気配がした。 「……着拒されてんの、いつから?」 「四月の頭からだ」 「あっ……」 桐乃は少し考え、俺が黒猫から着拒されている理由に思い当たったようだった。 ――『失望したわ。臆病で、懦弱で、弱虫で……なんて、意気地のない雄。 わたしが拱手傍観を決めた理由を、あなたは何だと思っているのかしら? その貧相な頭が答えを出すまで、金輪際、わたしには連絡をしてこないで頂戴』―― 最後の電話で浴びせかけられた、辛辣な言葉を思い出した。 車内に、再び居心地の悪い沈黙が降りる。 文字通り空気を入れ換えるべく、俺は運転席側の窓を開けた。桐乃もそれに倣う。 緑と水が豊かな土地のせいだろうか、真夏の夜にしては涼しい風が、肌に心地よかった。 周囲に人工の明かりはなく、道の両脇に広がる梨畑を、月影が静かに照らしていた。 舗装された山道を、安全運転で走ること十分。 小さなログハウスが見えてきた辺りで、俺は言った。 「着いたぞ」 「……看板に休憩所って書いてあったけど、ホントにここで合ってんの?」 「ああ。俺たちの他にも、星を見に来てる奴らがいるはずだ」 駐車場に車を停め、用意してきた荷物を、荷台から引っ張りだしていく。 手持ち無沙汰そうにしている桐乃に、俺は虫除けスプレーを手渡した。 「しっかり吹っ掛けとけよ」 シュッ、と三秒にも満たない噴霧音が聞こえ、 「はい。兄貴もすれば」 「……お前な、香水の匂いが消えるのと、ヤブ蚊に噛まれまくるの、どっちがイヤなんだ?」 「どっちもイヤ」 「ワガママ言うな。じっとしてろ」 俺はスプレー缶を振り、桐乃の無駄に露出した肌に、満遍なく吹きかけていった。 虫取りの前に、夜祭りの前に、花火の前に――今と同じことを、幼い桐乃にもしてやっていたことを思い出した。 自分でやれと言うと嫌がるクセに、俺がしてやると大人しくなるところは、あの頃とちっとも変わっていない。 「かけすぎ。ベタベタして気持ち悪い」 「大げさなくらいが丁度いいんだよ。すぐ乾くから我慢しろ」 俺は自分にも虫除けスプレーをかけ、荷物を抱えてログハウスの裏手に回った。 裏手は斜面が横にせり出した、小さな平地のようになっていて、 既に結構な人数の先客が、流星観察の準備に取りかかっていた。 望遠鏡も星図も持たない俺たちは、ブルーシートを引き、蚊取線香を焚いて、それで準備完了である。 靴を脱いで寝っ転がる。 ややあって、俺から体一つ分を空けて、桐乃が寝転がる気配がした。 息を呑む音が聞こえ、隣を見なくても、桐乃が星空に見入っていることが分かった。 「こんなに綺麗な星空見たの、生まれて初めてかも……」 「いいトコだろ。中々の穴場らしいぜ」 「どうやって知ったの?Beegle?」 「学部に、高校で天文学部だったヤツがいてな。そいつから仕入れた情報だ」 「じゃあ、その人も、ここに来てるワケ?」 「いんや、そいつは別の場所で見るそうだ。ここは初心者向けなんだとよ」 「――あっ」 不意に桐乃が、空の一点を指さして言った。 「流れ星!ねっ、兄貴も見た?今スーッて流れてった!」 「見逃した」 俺はそもそも、夜空を見ちゃいなかった。 星空に魅入る桐乃の横顔を眺めていた。 見逃した理由を明かさずに、俺は言った。 「流星群は、まだまだこれからだぜ。 一時間に三十から六十は星が流れるらしいからな。 運が良けりゃ、一分に一つ見られる計算だ」 「そうなんだ。……じゃあ、お願いし放題だね」 「……くっ」 「なんで笑ってんの?あたし、何か変なこと言った?」 「やっぱり桐乃は、桐乃だと思ってな」 「い、意味わかんない」 「ガキの頃にも、親父に連れられて流れ星見に行ったこと、覚えてるか?」 「覚えてない」 「そっか。あの時のお前、小さかったもんな。 で、流星観察に行く前から、お前は大はしゃぎしてたんだよ。 親父にたくさん流れ星が見られるって聞かされて、紙に願いごとを山ほど書いてた」 「……こ、子供の頃の話でしょ。 流石に今は、流れ星が流れる間に三回願いごとを念じれば、それが叶うなんて話、信じてないし」 「そうか?別に信じてても、俺は笑ったりしねえぞ。 せっかくなんだし、あの日のリベンジを果たせばいい」 「リベンジ?」 「親父に連れてってもらった時は、結局一回もお願いが成功しなかった、って大泣きしてたんだぜ、お前」 「もうっ、昔の話蒸し返すの、やめてくんない?」 桐乃が八重歯を剥いてこちらを向く。 視線が交錯し、手が触れた。が、それも一瞬のことで、 「…………」 威勢を失った桐乃は、再び夜空に視線を戻す。 横顔を見ていたことがバレた俺も、夜空に視線を移した。 一口には表現できないほど、素晴らしい情景がそこにはあった。 深い暗黒を背景にした、無数の星の瞬き。 夜空には一筋の雲霞さえ見て取れず、月は主役の座を譲るかのように、端で鳴りを潜めている。 北の空に、黒地のキャンバスにナイフで切れ込みを入れたかのような、白い筋が見えた。 次に星が流れたら、話を切り出そうと決めていた。 「桐乃」 「なに?」 「話があるんだ。そのままの姿勢で聞いてくれるか」 「……その話をすることが、あたしを流星観察に誘った理由?」 「ああ」 四ヶ月ぶりに電話がかってきて、いきなり流星観察に誘われて、戸惑ったよな。 でも、俺はお前の目を見ながら、この話を最後まで話し終える自信が無かったんだ。 「ごめんな、桐乃」 「…………」 「お前に相談もせず、勝手に家を出て、悪かった」 「…………」 「あの時の俺は、お前に――」 告解は、零下の声で遮られた。 「やめてよ」 「桐乃……」 「なんで兄貴が、あたしに謝るワケ? その言い方だと……、まるであたしが、傷ついてたみたいじゃん。 あたしが兄貴のこと、ずっと恨んでたみたいじゃん」 「…………」 「あたしは……兄貴が出てって、せいせいしてる。 壁が薄いの、気にしなくて済むし、 友達だって好きなときに呼べるし、 楽なカッコしてても、お父さん以外に文句言われないし……それに……」 その言葉が嘘で、強がりだということを、俺は知っている。 桐乃は傷ついていたし、俺のことを恨んでもいた。 なんでそう言い切れるかって? 逆に言わせてもらうが、俺が何年、桐乃の兄貴をやってると思ってる。 それに何より、俺が家を出るときに桐乃が見せた涙が、全てを物語っていた。 ――『勝手に行くなっ、バカ兄貴っ!あたしを……あたしを一人にしないでよっ!』―― そうだ。あの時の俺は、本当に勝手で、独り善がりな大バカ野郎だった。 距離を置くことが、妹の兄離れのための、最良の選択だと信じていた。 でも、違ったんだ。やっと分かったんだ。 溢れそうになる思いを押さえて、俺はもう一度言った。 「ごめんな、桐乃」 「だから、やめてってば。 もう、あたしに気を遣わなくていい。優しくしてくれなくていい。 兄貴はさ、あたしが近くにいるのが、イヤだったんだよね? あたしの気持ちが迷惑で、気持ち悪かったんでしょ? あたしと一緒にいるのが堪えられなくて、それで、家を出たんでしょ?」 脳裏に、桐乃に告白された時の情景が浮かぶ。 大学の合格祝いに、家族で外食に出かけた日の夜。 胸に重みを感じて目を開けると、目の前に桐乃がいた。 暗闇の中、思い詰めた妹の表情を仰ぎ見ながら、 俺は初めて、桐乃が人生相談を持ちかけてきた時のことを思い出していた。 それから長い時間をかけて、桐乃は言葉を紡いでいった。 小さい頃から、俺のことが好きだったこと。 冷戦を隔てて、関係が修復されてからは、兄としてではなく、男として好きになったこと。 思いの丈を語り終えた桐乃に、俺は返す言葉を持たなかった。 沈黙を貫く俺の頬に、一粒の熱い雫を落として、桐乃は部屋を出て行った。 翌日、俺たちは何事も無かったかのように接した。 しかしその日から、俺は一人暮らしのための準備を整え始めた。 桐乃に悟られないよう、こっそりと……。 「あんなこと言うなんて、どうかしてた。 フツー有り得ないよね、兄妹で……好き、とか あたしも後から冷静になって、自己嫌悪で死にそうになってたんだ」 「…………」 「あはっ、あんたからしたら、超キモイよね。 いくらシスコンでも、ドン引きだよね。 だからさ、謝らなきゃいけないのは、あたしの方。 兄貴がいっぱい優しくしてくれて、それを勝手に、 兄貴もあたしのことを好きなんじゃないかって勘違いした、あたしが……ひくっ……悪かったの……っ……」 俺は言った。 「勘違いじゃねえよ、桐乃」 「えっ」 「……俺も、お前のことが好きだった。 お前と仲直りした二年前から、妹じゃなくて、女として、お前のことを見てた」 はっきりと自覚したのは、つい最近のことだ。 俺はずっと、俺は桐乃のことが妹として好きなのだ、と自分に言い聞かせていた。 その自己暗示に、桐乃の告白がヒビを入れた。 漠然と、家を出なければならないと感じた。 自分の臆病さを、桐乃のせいにした。 これ以上桐乃に好かれないために、桐乃から離れなければならないと思った。 でも、実際は違ったんだ。 俺が本当に恐れていたのは……俺が本気で、桐乃を愛してしまうことだった。 「兄貴……」 手が触れ合い、指が絡んだ。 洟を啜って、桐乃は言った。 「あたしね……今でも、兄貴のことが好き」 「そうか。じゃあ、俺たちはめでたく両思いだな」 ぎゅ、と桐乃は俺の手を握りしめながら、 「でも、さ……やっぱり兄妹で恋愛とか、おかしいのかな」 「世間様から見りゃあ、異常だろ。 でも、二年前、お前に人生相談を受けるまで、俺とお前は他人同然だった。 そっから仲直りして、ガキの頃みたいな兄妹関係を再開する、っていうのが、土台無理な話だったんだよ」 「あたしが兄貴のことを男として見るようになったのも、仕方ないことだったってコト?」 「そういうことだ」 「ぷっ……変な慰め方」 「俺の溢れんばかりの魅力のせいだ、なんて言っても馬鹿にするだけだろ、お前」 「馬鹿になんてしない。 だって、あたしは、あんたが兄貴だったから、兄貴のことを好きになったの。 趣味を守ってくれて、友達を作るのに協力してくれて……」 「あーあー、それ以上言うな」 真面目に返してくるとは、予想外にも程がある。 「……あたし、これから週末は、兄貴のアパートに行く」 「どうやって?結構な距離があるぞ」 「あんたが車で、あたしを迎えに来るの。当然でしょ?」 「別に構わねえけど、俺の部屋に来て何するんだよ?」 「何って……掃除とか、料理とか?」 料理、という単語に不穏なものを感じつつ、俺は言った。 「なんか通い妻みたいだな。お前って尽くすタイプだったのか」 「う、うるさい」 「それにお前、俺の部屋に来てやることで、大切なことを忘れてるぞ」 桐乃の体が強張る気配があり、 「俺が家を出る時に、お前、こっそり段ボールにエロゲ詰めただろ。 あれ、忙しくて全然手を付けてなかったんだ。一緒にやろうぜ?」 はぁ、と溜息を吐く音が聞こえた。 「……うん。あと、シスカリの新作、持ってくね。久しぶりに対戦しよ?」 「おう」 「でも、一人暮らしの大学生の部屋に、超可愛い女子高生が通ってたら、変な噂が立っちゃうかも」 「問題ねえよ。表向きは仲の良い兄妹だ」 俺たちは同時に笑い、 「あっ」 同時に空いている方の手で、夜空の一点を指さした。 「見た?」 「見た」 それからしばらく、夢中になって流れ星を探した。 童心に還って、見つけた流れ星の数を競った。 三十も数えた頃だろうか。 「……できたっ」 と、桐乃が嬉しそうに言った。 何ができたんだ、と尋ねると、 「今、流れ星が消える一瞬の間に、心の中でお願いを言えたの。一回だけ」 「一回だけなら、叶う確率は三分の一だな」 「……あと二回、別の流れ星に一回ずつ祈れば百パーセントになるし」 「どんな願いごとをしたんだ?」 「ひ、秘密」 「いいじゃねえか、隠さないで教えろよ」 隣を見る。 蒼白い星明かりの下、桐乃は顔を真っ赤にして言った。 その声に、今のように夜空を見上げた、幼い桐乃の声が重なった。 「兄貴と、ずっと一緒にいられますように……」 『お兄ちゃんと、ずっといっしょにいられますように……』 おしまい!
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/217.html
桐乃視点 01 / 02 / 03 / 04 / 05 / 06 / 07 / 08 俺の後輩は猫 桐乃のリビドーが有頂天でとどまるところを知らない 01 / 02 / 03 リアの初体験 桐乃の告白でえらいものが目覚めた 俺と桐乃は 桐乃と黒猫と俺の萌え 01
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/470.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1301391825/858-874 「おはよう、瑠璃」 「おはようございます、せ……京介」 2学期が始まって数日が過ぎていた。 最近俺は、毎日瑠璃と一緒に学校に通っている。 爆発しろと言われても仕方ないくらい、充実した毎日だ。 「京介、あのね……」 「お、おう……」 まだ付き合って日が浅い俺達は、 お互いの名前を呼び合うたびにドキドキしている。 初々しいって? ふん、バカにするならしやがれ。 「そうだ、瑠璃」 「どうしたの?」 俺は、今日の本題を切り出すことにした。 内心かなーり動揺しているが、そんなものチラリとも見せず。 「ええええっとだな」 「何を動揺しているの」 ふっ。 まぁ落ち着けよ、俺。 俺の動揺が伝染してしまったのか、 なんだか瑠璃まで顔を赤くしている。 「今日なんだが、親も桐乃も家にいないんだ」 「そう……」 「その、帰りにうちに寄らないか?」 「それはいいのだけど……」 瑠璃は何か言いづらそうな顔でこちらを見つめている。 ……大丈夫だ、安心しろ。 「ちゃんとコンドームは買っておいたぞ」 「ば、莫迦、そうじゃなくて……」 「ん?」 瑠璃が俺の股間を指差してる。 「ふぅ、まったく。社会の窓が全開よ、変態先輩」 「……あ」 「煩悩にやられて脳味噌が腐ったのではないかしら」 ひでぇ言い草。でも、実際そんなに悪い気がしないのは、 こいつの返答に照れ隠しが混じっているのが分かるからだろう。 可愛い彼女である。 「あら、罵られて喜んでいるの?とんだドMね」 「おま」 「妹にもよく苛められて喜んでいるものね。 こんなド変態を恋人に選んでしまうなんて、早まったかしら」 ぜ、前言撤回。 ひどすぎね? 肩を落としてため息をつく俺の耳に、 少し背伸びをした瑠璃がそっとささやく。 「や……やさしくしてね、京介」 そういうと、早足でスタスタと歩いていってしまう。 たぶん俺は、この上なく気持ち悪い顔でニヤニヤしていたことだろう。 俺を追い越していった一年の女子が、俺を振り返るなりすごい顔をしていた。 ま、とりあえず……瑠璃を追いかける前に、俺はチャックを上げた。 ◇ ◇ ◇ 「高坂先輩!」 「どうした瀬菜」 「ハァハァ……ちょ、ちょっと」 「?」 瀬菜がわざわざ3年の教室に来るなんて珍しい。 しかも俺に用事? 「どうした高坂……って瀬菜ちゃん?」 「あ、お兄ちゃん!」 なんでお前ら、兄妹で学校で遭遇してそんなに嬉しそうなんだ? 俺だったら絶対そんな顔にはならないぞ。 絶対にだ。 ……まぁそれはとにかく。 「俺に用事じゃなかったのか?」 「あ、そうなんですよ」 「……で?」 早く要件を済ませてくれないか。 さっきから、お前の兄貴の視線が痛いんだ。 「さっき、体育の時間に、ちょっと五更さん怪我しちゃって」 「えっ?」 「今保健室で寝てるんですけど……って先輩!?」 瀬菜の言葉を全て聞く前に、俺は走り出していた。 ◇ ◇ ◇ 「まったく、そんな必死な形相で……ぷぷっ」 「だ、だってよ……はぁ、はぁ」 俺は今、保健室にいる。 ベッドには横になっている瑠璃。 先生はさっき、笑いながら保健室を出て行ってしまった。 気を使ってくれたのか?……んなわけないか。 「そんな心配するほどの怪我ではないわ」 「そ、そうなのか?」 「ちょっと足を滑らせて、尻餅をついてしまったの……」 そう話す瑠璃は、少し元気がないように見える。 やっぱりどっか、悪いんじゃないのか? 「尻餅ってなぁお前……」 「それはそうと、休み時間、もうすぐ終わりじゃないの?」 「いいんだよ、んなもん」 3年の2学期にもなれば、重要な単元は既に終了してるしな。 次の授業も自習の予定だし、事情を知っている赤城あたりがうまいことやってくれんだろ。 「たまにはいいだろ、こういうのも」 「私をサボる理由に使わないで頂戴」 「……なぁ、本当に大丈夫か?」 「な、何が」 やっぱり元気がない。 鈍い俺でも、さすがにこれは思い違いではないだろう。 「言いたくないならいいけどさ」 「……」 「その代わり、俺にして欲しいことを言え」 「……分かったわ」 瑠璃は俺の服の、胸の部分を引っ張る。 口には出さなくても、二人の間だけで分かる魔法の言葉だ。 「ああ」 瑠璃からの『抱きしめて』の合図に従って、俺は瑠璃を抱きしめる。 よくよく考えると、服の引っ張り方だけで相手のことが分かるなんて。 とんだバカップルだって、俺も思うけどさ。 仕方ねぇだろ、気付いたら分かるようになってたんだ。 しばらく抱きしめて、そっと体を離すと、 瑠璃は、俺の左の袖を引っ張った。 俺は瑠璃にキスをする。 「んっ……」 瑠璃の目は、少し泣きそうになっていた。 ホントはすぐにでも聞き出したいところだったが――― 瑠璃が話す気になるまでは、待ったほうがいいようが気がする。 と、急に瑠璃が何かに気付いたような表情になった。 「あのね、先輩」 「ん?話す気になったのか?」 瑠璃は俺の後ろを指差す。 振り返ると、保健の先生がニヤニヤしながらそこに立っていた。 ◇ ◇ ◇ 学校が終わると、俺は瑠璃と一緒に家に向かった。 「体はもう大丈夫なのか?」 「えぇ、もう大丈夫」 まだ本調子ではなさそうだが、 昼間よりは元気が戻ったかもしれないな。 今、俺達はベッドの上で二人で寝ている。 家には親も桐乃も誰もいない。 正直、今日は瑠璃を襲うつもりで部屋に招きいれたのだ。 だけど――― 「その、調子悪かったらまた今度でもいいんだぞ?」 「発言と下半身が一致していないわね」 いやいや、無理だって。 この状況で勃起しちゃだめって方が無理。 「だいたい、こうしてベッドの上まで連れ込んでおいてやめると言うの?」 「そりゃそうなんだがな」 やっぱ気になっちまうよ。 昼間、何があったんだ? 俺が目で訴えていると、瑠璃の目にはだんだん涙が浮かんでくる。 「お、おい、俺なんか悪いこと言ったか?」 「違う、違うの……京介は何も悪くないの……うっ……うぇぇ……」 ついに瑠璃が泣き出してしまった。 俺にはただ、瑠璃を抱きしめることしかできない。 俺は困惑しながらも―――少しだけ嬉しかった。 普段は強がっていて、あまり涙を見せない女の子。 でも俺の前では、こうして正直に泣いてくれる。 どれくらい時間が経っただろう。 俺のシャツはすっかり瑠璃の涙と鼻水でぐちゃぐちゃになってしまっていた。 「うっ……ぐすん……」 瑠璃もやっと少しは落ち着いたようで、俺のシャツの惨状に気付いたようだ。 「ごめんなさい、京介……服が」 「あぁ、気にすんなって」 俺は瑠璃にタオルを渡すと、シャツを脱ぎ捨てた。 上半身裸の状態で、瑠璃を後ろから抱きしめる。 「話してくれないか、瑠璃……」 「あの……幻滅、しない?」 「しない」 「嫌いにならないかしら?」 「なるはずないだろ」 瑠璃は小さくため息をつき、話し始めた。 「今日ね、体育の時間に、足を滑らせて尻餅をついたの」 「あぁ」 尻餅は本当だったんだな。 「それでね。ち……膣から血が出て」 「!?」 「それでね、保健室に行ったのよ」 「そ、それで?大丈夫なのか?」 おいおい、血が出たって。 「先生が言うには」 「あぁ……」 「尻餅で、処女膜が破れたんだろう、って……」 「えっ!?」 ちょ、マジで? そんな簡単に破れるもんなの処女膜って? 「私……」 瑠璃は再び涙目になる。 「今日、京介に破ってもらうはずだったのに……」 肩を震わせ、ポロポロ涙を零す瑠璃。 はぁ……まったく。 このかわいい恋人を、俺はどうしてくれよう。 「げ……幻滅した?」 「……くくくっ」 「な、何笑ってるの?」 「俺はお前が大好きだ、瑠璃」 「っ!?」 瑠璃の唇は、涙の味がした。 俺は瑠璃の服をゆっくりと脱がしにかかった。 ◇ ◇ ◇ 「じゃあ、入れるぞ」 「ちょっと待って」 瑠璃は俺のペニスを持つと、何を思ったのか…… せっかく(すげー頑張って)着けたコンドームを外してしまった。 「お、お前、なんで」 「処女膜、あげられなかった代わりに、このまま……」 「え?」 「……お願い」 お願いとまで言われちゃ、仕方ないな。ふふふ。 俺は生のまま、瑠璃の入り口に自分の分身をあてがった。 そのままゆっくりと腰を突き出す。 「い―――」 「や、やっぱり痛いか?」 すごく痛そうな表情で、首を横に振る。 説得力など皆無だ。 「途中でやめたら、呪うわよ」 「あ、あぁ」 俺はそのままゆっくりと腰を進める。 ん? 途中で何か抵抗があった気がするが…… やがて俺の分身は全て瑠璃の中に納まった。 「京介……繋がっているのね、私たち」 「そうだな、瑠璃……」 俺は瑠璃との結合部に目を落とす。 「あれ?血……」 「あ……」 瑠璃は、まだ痛みが強いだろうに、パッと顔を明るくした。 「全部破れてしまっていたわけではなかったみたいね」 「あぁ、そうみたいだな」 俺は瑠璃にキスをする。 今までにないほど激しいキス。 このまま、瑠璃の痛みをかき消してしまえばいい。 「少しずつだったら、動いていいわよ」 瑠璃の言葉に、少しずつ俺は腰を動かし始める。 平気そうに見せかけているのはかなりのやせ我慢だろう。 それが分かっていてなお、俺は瑠璃が愛おしくてたまらず、腰を動かしてしまう。 「んっ……あ……あぁん……んっ」 あぁ、こんなに人を愛おしいと思ったことは、未だかつてない。 俺は瑠璃のためなら、なんだってできるんじゃないかと思えた。 「んぁっ……あぁん……あぁ」 少しずつ、少しずつではあるが、瑠璃の吐息から快感が漏れ始める。 「少し……んんっ……気持ちよく……なって……きたかも」 もっともっと、瑠璃に快感を与えたい。 そう思いながらも、俺の限界は着実に近づいてきている。 「る……瑠璃、悪い……俺もう……」 「ふふっ……いつでもいいわよっ……私でイって」 瑠璃の言葉に、俺は腰の動きを早くする。 俺は急速に限界へと近づいていく。 「瑠璃、瑠璃、あぁ……もうイく、抜くぞ」 「ま、まって、抜かないで、もう少しっ」 瑠璃は両足で俺の腰をがっしりと掴んだ。 ―――ってちょっと待て、もう無理――― ドクン ドクン ドクン 中に思いっきり出してしまった。 これが、瑠璃と俺の初体験であった。 ◇ ◇ ◇ 「ねぇ京介」 「どうした?瑠璃」 俺の腕枕で猫のように甘えながら、瑠璃は俺に話しかける。 「ああああのね」 「何動揺してるんだ?」 ふぅっと息を整える瑠璃。 その仕草が可愛くて、俺はつい頭を撫でてしまう。 「ば、莫迦にしないで頂戴」 「バカになんてしてねーよ。んで?」 瑠璃は少し顔を赤らめながら言った。 「明日、母さんも妹もいないのだけど……うちに来ない?」 ったくこいつは。 これ以上俺を惚れさせてどうするつもりなんだかな。 おわり-
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/185.html
423 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/08(土) 11 04 33.06 ID 4Z0CRUko [2/5] 桐乃 「おにいちゃん、大好き!」 京介 「…おまえ、鏡に向かってなにやってんの?」 桐乃 「!? ちっ、違うから! これは……そう、How to 妹ーーークの収録の練習してただけだから!」 京介 「あー、あのゲームか。実は俺あのゲーム予約してるんだよなー」 桐乃 「へ、へぇー…ゲームでも私と一緒に居たいなんてあんたシスコンの鑑ね!」 京介 「いやだってラブリーマイエンジェルが俺の妹になるんだぜ? ふひ、ふひひ」 桐乃 「ごめん、今世紀一番キモいって本気で思ったわ…。『妹がいるのに妹ゲーとかありえない』って言ってたあんたはどこ行ったわけ?」 京介 「それとこれとは別だろー」ニヤニヤ 桐乃 「あやせに報告しとくから」 京介 「すみませんでした!!」 424 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/08(土) 11 05 11.24 ID 4Z0CRUko [3/5] 桐乃 「どうしよっかなー、さっきのニヤけた顔あやせに見せてみたいしなー」 京介 「い、いやーマジ勘弁してくださいよ桐乃さん…」 桐乃 「じゃあさー、私の言うこと聞いてくれたら許してあげてもいいよ?」 京介 (何やらせる気だよ… まぁあやせに殺されるよりは…) 「お、おう。言ってみろよ」 桐乃 「さ、さっきの練習の続きやるから練習相手になって」 京介 「…それだけでいいのか?」 桐乃 「客観的な評価とかも必要だと思うし」 京介 「そ、そっか。感想とかを言えばいいんだな?」 (適当に褒めとけば機嫌損ねることはないよな、たぶん) 桐乃 「言っとくけど! ゲームを買ってくれたみんなのために言うんだからね! 仕事で手を抜きたくないからだからね!」 京介 「わかってるって」 桐乃 「じゃ、じゃあ始めるから」 京介 「おう」 425 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/08(土) 11 05 48.62 ID 4Z0CRUko [4/5] 桐乃 「………おにいちゃん、大好き!」ニコッ 京介 (こ、これは…!) 桐乃 「…ねぇ、聞いてる? 感想は?」 京介 「あ、あぁ、かなり上手いんじゃないのか?」 桐乃 「そう…じゃあ次ね」 「…一緒に寝ても、いい?」ニコッ 京介 「ちょっとベッド用意してくる」 桐乃 「!?」 京介 「!? い、いや違うぞ! 世の中のお兄ちゃんたちはそういう反応をするんじゃないかなーっていう、そういう感想だぞ、うん」 桐乃 「び、びっくりさせないでよ…これだからシスコンは」 京介 (今のはヤバかった…) 426 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/08(土) 11 06 22.91 ID 4Z0CRUko [5/5] 桐乃 「つ、次いくよ」 「………は、は、初めてだから…優しk」 prrrr prrrr 桐乃 「!? あ、あやせからメールだ…」 あやせ 『今、な に や っ て る の ?』 桐乃・京介 「……」 京介 「な、なんだよこの文から発せられてる威圧感は!」 桐乃 「つ、疲れちゃったから練習はやめにしよっかなー(棒)」 京介 「そ、そうだなー(棒)」 あやせ 「やっぱり盗聴器仕掛けておいて正解だったね、うふふふふふふふ」 おわり
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/265.html
http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1288544881/808 4話後半のあれから分岐 しょうがねえので、まずは様子見として違うブツについて聞くことに……しようとしたけどやっぱりやめた。 アンパイが見あたらない… で――話しかけないでいると桐乃は次の段ボールに手を突っ込んで―― 「で、でね! 次はこのアルバムなんだけど………」 ド本命キターッ! 「ちょ、ちょっと待て! せめて、せめて心の準備をさせてくれ!」 あれはやばいぜ……スカトロ、ホモときてそのつぎだ……なんだ、猟奇系か……? そんな風に俺が覚悟を決めている間、アイツは頬を染めながらムスッとしていた。 どうせヘタレだとか思ってるんだろ……まあヘタレなんだけど…… 「……おお、もういいぜ」 ――だが、返事をしても反応が返ってこない。 「おい――」 「黙ってて! こっちも覚悟がいるのよ!」 おまえもヘタレじゃん。でもまあ、スカトロよりすごい秘密だからな…… そしてさらに数分の沈黙のあと―― 「はい、覚悟完了! じゃ、じゃあ開くわよ」 そう言ってガバッと勢いよくアルバムを開く。 それは潰れた頭や腐敗した死体などの写真ではなく……俺の写真? 瞬間身構えていた身体から力が抜け――再び力が入る。 って、ちょっと待て。俺の写真!? 他のページも開いても俺の写真ばかり。 そして桐乃を見ると今まで見たことがないくらい赤くなりうつむいている。 ……えっと、これってそういうことなのか? たしかに昨日から急に距離は近づいた気がする……するが、アルバムは奥まった場所にあったのだ。昨日今日しまったようには見えなかった。 ……それとも以前から桐乃は俺のことを? いやいやいや、それはない! 断じてない! 「――なにか言いなさいよ」 最初に口を開いたのは桐乃だった。 言いなさいよ、ってなに言えば良いんだよ…… 「おまえってブラコン?」 違うよな? 「……ッ! うん……」 ここまで書いて力尽きた 京介が断ってそのままアメリカに逃げる展開しか思いつかん
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/583.html
題名「黒猫の様子がおかしい」 京介x黒猫 18禁 ----------------------------------- 土曜の午後、昼飯を食ってから、まったりと自分の部屋で、YouTube見たり、 2ちゃんねるを覗いたりしていたら、瑠璃から携帯にメールが来て、”今から 行ってもいい?”と来て、断る理由も無いので”いいぜ”と返した。 しばらくするとインターホンが鳴ったので階段を降りて、玄関を開けた。 「今日もいい天気ね…。」 「ああ、上がれよ」 何か、ちょっと様子がおかしい気がするが、まあ、いいか。 「そうさせてもらうわ」 階段を上がる途中、シャツが引っ張られると思ったら、瑠璃がつまんで 付いてきていた。どうしたんだろう?と思いながら、俺の部屋に入った。 瑠璃は、後ろ手に部屋の鍵を閉めた。 「なんか…、さ、どうしたの?」 今日は甘い香りが強い。そこが定位置とばかりにベッドに座る瑠璃が、 ぽつぽつと言葉を漏らす。 「緊急事態なのよ。あらぬ事をしてしまいそう…。」 瑠璃は目を閉じ、何かを思い起こしているようだ。 「あなたとこの間、愛し合ってから、私の中にあなたが居座ってるの」 瑠璃は、イスに座っている俺を見ながらけだるそうにベッドに横たわる。 「それは…、私のからだを温めたり、元気をくれる一方、私の心を操り、 その…私の手を乳房や陰部に導くの。ねぇ、京介…。」 俺の目は、瑠璃の小さい顔に釘付けになり、語る内容で俺の頭をぐらぐら させていた。部屋が温まり、湿度を増したかのようだった。 「あぁ…それは大ごとだな、瑠璃」 俺は、イスから立ち上がり、ベッドに腰掛けた。そして、小ぶりだがもう その弾力、柔らかさを知っている乳房に左手のひらを乗せた。 瑠璃は、俺の手のひらに自分の手のひらを重ねて、動かした。 「…ふぅ。あなたの手のひらが私の中から飛び出してしまいそうな物を止め てくれそう、よ」 やさしく手のひらを揺らし、右手で瑠璃の髪の毛をなで続ける。 「それは…、瑠璃がまだ扱い切れてないだけじゃないかな」 俺は右手を首筋、肩、腕となでていき、湿った指先で指を絡めた。 「あなたの愛撫に沿って、私の中の物も流れていくわ…。」 「じゃあ、ちゃんとしないとダメだな」 陶然としてきた瑠璃の服を丁寧に脱がしていき、裸にした。 「あなたとこうしていると自然な気持ちになるわ」 じっと見つめる瑠璃を前に、俺ももどかしく服を脱いで、同じ裸になった。 瑠璃は起き上がり、 「そして、あなたのペニス。とても気になるの」 俺のちんちんを瑠璃は握り、しげしげと眺めて舐め始めた。とても倒錯的 な光景で、俺のはぐんぐんみなぎっていった。 しっとりとなめらかな舌が俺のを這い回り、とろりとあふれ出した先走り 汁を舐め取り、吸った。 「びくっとしたわ、…んふぅ。この淫らな物が私の膣に入ったのね。口の中 だとどうかしら」 俺は、瑠璃がセックスしているように自分の口に出し入れしているのを 黙ってみているしか無かった。やがて、瑠璃のほおは紅潮し、喘ぎ始めた。 「おかしいわ。何故こうしたくなるのかしら。気持ちいいし。あぁ、気だ るくなってしまったわ」 瑠璃は、くたりとベッドに横になった。俺は、ベッドに乗って、瑠璃の 妖気にかどわかされたように淫らな唇に吸い付き、舌を絡め合った。 「京介…、あとは好きにしてちょうだい。もう、何も考えられないから…。」 なめらかなのどにキスをして、手のひら全体でやわやわと乳房を揉み、 手のひらに当たる乳首を転がす。乳輪をぐにぐにとつまみ、乳首を指先で 弄ると瑠璃は薄目になり歓喜の表情だ。 乳房にまんべんなくキスして、乳房を揉みながら乳首も舌で愛撫してい るとちょろっと乳首から乳が出た。 片手で乳房を愛撫しつつ、脇腹、腰、太ももと撫でていくと瑠璃が甘い ため息を漏らす。 撫でる手を太ももがきゅっと挟むので手をそのまま上げて股間を手の平 で包んでなで回すと息が荒くなってきたので、両手で足を広げて、股間に 顔を埋めて舐めた。瑠璃はシーツをつかんで快感に耐えている。 淡い茂みから顔を出したクリトリスに吸い付き、ぐりぐりと舐めながら ひくひくしている膣口に指を入れて中をかき回したり肉壁をぐりぐりと していると瑠璃はたまらない表情だ。空いた手で体のあちこちを撫でて 瑠璃の反応を愉しんでいると、 「もう…、入れて。あなたのこれが欲しくて堪らないの」 瑠璃は、俺の根元まで先走り汁でぬるぬるになったちんちんを握りな がら俺に訴える。 「ああ、判ったよ」 俺は枕元に隠したコンドームのパッケージを破き、まだ握ってる瑠璃 の手を引きはがし、装着した。そして、ちょっと乱暴なくらいの勢いで 瑠璃の中に挿入したら、ぐっと引き込まれた。 「あぁ…、いぃ…」 瑠璃の目に一筋の涙が流れる。覆い被さって抱き合いながらお互いの 肌までも感じ合い、一つにつながった。 瑠璃の足は腰に絡みつき、両手は俺の背中をまさぐって居た。 ディープキスをしながら、瑠璃の呼吸は荒くなり、どんどん高まって いく。 体を起こして、太ももを抱えながら浅く深く腰を使い、ふるふるして いる乳房を揉み、さらに腰を使って行くと苦しげな喘ぎ声になり硬直し て、軽くいったようだ。 そのまま瑠璃を裏返して、バックで突いていく。お尻の肉をこねなが ら、ずんずんと。 「気持ちいいのが止まらないわ…。」 「俺たちは、相性がいいってことだよ。きっと」 瑠璃の体を起こして、後ろから乳房をわしづかみしながら、ツンと 立った乳首をこねながら腰を使い、クリトリスを探り、弄ると悲鳴の ような声で瑠璃は喘いだ。 これだけすれば、瑠璃の中の物も十分だろうっていうか、俺がもう 限界だ! 瑠璃を仰向けに戻して、正常位で汗だくになりながら、腰のスピード を上げていくと瑠璃の歓喜の声は高まり、熱い奥底で俺は弾けた。 何度も何度も出すたびに瑠璃は背中を震わせた。 瑠璃の上に覆い被さったまま、ちょっと寝てしまったようだ。 「おかしな気持ちは、すっかり消えてしまったわ、京介」 「それは良かった。本能でこうなっちゃうけど、俺は瑠璃を愛する 気持ちで、しているつもりだから」 「…十分、伝わってきたわ。そうよね、ちょっと言葉に出来ないけど、 京介とならやっていけそう」 「これからもよろしくな、瑠璃」 「愛してるわ、京介」 気持ちを込めたキスをして、和んだ。 こっそり家の中を探って誰も居ないことを確認して、窓を開けて換気 してから、二人でシャワーを浴びて汗を流した。 名残惜しいが、桐乃が帰ってきてややこしくならないうちに瑠璃に 帰ってもらった。 --------------------------------- おわり。
https://w.atwiki.jp/tame_slg/pages/13.html
孕姫~令嬢妊娠調教計画 DATA パラメータ内容 プレイメニュー DATA ブランド ラブチェリー 発売年月日 09/15/2006 修正ファイル なし ディスクレス 不明 攻略可能ヒロイン 3人 回想モード CG Hシーン ENDING CG数 82枚(差分含まず) Hシーン数 31個+α 音楽 6個 音声 女性のみフルボイス(ヒマリ ひなた 加乃みるく) 音量調整 不明 スキップ 未既読対応(ctrlで強制スキップ) バックログ 不明 右クリック 不明 ホイール ログ対応 セーブ数 80個 クイックセーブ なし オートセーブ 1個 攻略済みデータ なし 攻略ページ なし 2ch感想置き場 なし 備考 ─ パラメータ内容 調教度 調教すれば大抵上昇 妊娠度 中田氏系調教などで主に上昇 好感度 快楽調教などで主に上昇 外交度 根回し系調教で主に上昇 プレイメニュー 快楽調教LV1 全身愛撫 胸愛撫 女性器愛撫 羽ほうき愛撫 快楽調教LV2 媚薬 バイブ責 アナル責 クリキャップ 快楽調教LV3 二穴責め 犬と交尾 服従調教LV1 手コキ フェラ 69 アナル舐め パイズリ 服従調教LV2 オナニー 母とレズ 母と一緒にパイズリフェラ 服従調教LV3 母と双頭バイブでレズ 母共々奉公人に輪姦させる 妊娠調教 膣出し ローターで栓 排卵誘発剤 根回し調教LV1 門番(複数人相手にパイズリと手コキ) 執事(フェラ) 根回し調教LV2 69 騎上位 アナルファック 根回し調教LV3 緊縄と鞭 コスチュームプレイ 犬と交尾
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/268.html
http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1288544881/804 今日は久しぶりに、実家に帰省する日だ 社会人になって10年、俺ももう32だ 久しぶりに帰ってきた実家のインターホンを押す 「はーい」 「あら、京介じゃない」 「よっ おふくろ」 俺は軽く挨拶をする 「こんにちは 綾乃ちゃん」 「こんにちは おばあちゃん」 お袋は俺には目もくれず孫の綾乃に話しかけている 「ささ あがってあがって」 俺たちはリビングへと通される 「お従兄ちゃん♪」 綾乃がリビングのソファで本を読んでいた男の子に駆け寄る 「久しぶり、綾乃ちゃん」 このガキの名前は高坂祐介、桐乃の息子だ ムカつくことに、桐乃に似たのか、かなりのイケメンでお袋によると神童とか呼ばれてたりもする 完璧超人のようなやつらしい 親父もこいつにはすごい期待をかけているらしく、激甘だとか そして、俺の娘の高坂綾乃もこいつにベタボレときてる このくそガキめ そんなことをしていると、桐乃が階段を降りてくる 「あ、兄貴来てたんだ」 「おう、お前は今日は仕事休みか」 「ううん、今も原稿書いてるとこ」 こいつは、高校で陸上をやめた後は、タレント兼作家をやっている TVにもときどき出ている結構な有名人だ 今は、祐介の世話をお袋たちに任せて実家で暮らしている 「あ、綾乃ちゃんだ~♪」 綾乃を見つけると駆け寄って頬ずり始めやがった 久しぶりにあった兄との語らいとかはないのかよ! 「きゃ、くすぐったいよぉ」 「ああ、綾乃ちゃんかわいいなぁ、うちの子になりなよ」 「だめだょお」 俺は桐乃から綾乃を引き離す、たく、こいつはいつもこうだな 「綾乃ちゃん、祐介のこと好きだよね?」 「うん、お従兄ちゃん大好きだよ」 「はぅう」 桐乃のやつなに恍惚の表情してやがる、妹キャラに反応しすぎだろ 「大きくなったら祐介のお嫁さんになってあげてね」 「うん、いいよ」 「ちょ、母さん!」 「照れない、照れない」 「綾乃ちゃんが祐介と結婚したらあたしの娘になるもんね」 「はい、はいわかったよ。少し落ち着け」 桐乃は綾乃に会うといつもこの調子だな。 祐介と綾乃をくっけるのは俺としては少し複雑な気分なんだが 別の話になるが、祐介は実は俺と桐乃の子だ。俺と桐乃以外は誰も知らないけどな また、機会があればこのときの話もしようと思う 「京介、来てたのか」 「よう、親父久しぶり」 「おじいちゃんこんにちは」 綾乃が元気に親父にあいさつする 「あ、ああ。こんもちは綾乃」 親父のやつも顔がにやけてやがる、子供には厳しかったのに、孫には激甘な典型だな 「あんたたち、夕飯食べてくでしょ」 「ああ、そうするつもりだ。あいつも友達と夕飯食べてから帰ってくるらしいから」 いろいろあったけど、今はこんなにうまくやれてるんだから、結果的にはよかったのかな そんな風に俺は一人考えていた pi pi pi pi pi 「う~ん」 私は眠い目を擦りながら目覚まし時計を止めます 「ふわぁ」 私はまだ肌寒さを我慢して布団から出て、真新しい制服に袖を通します 鏡の前で髪型を整えて、「うん、これでいいかな」 私は、階段を降りてリビングに降ります 「おはようございます!」 リビングに降りると、テレビを見ている桐乃さんと、新聞を読んでいるおじいちゃん、朝ごはんを作っているおばあちゃんがいた 「おはよう綾乃ちゃん、制服似合ってるねかわいいよ」 「えへへ、ありがとうございます桐乃さん」 この人は高坂桐乃さん、お父さんの妹で、お母さんの親友。叔母さんに当たるんだけど 子供のときに叔母さんとよんで怖い顔で「叔母さんじゃないでしょ?お姉ちゃんでしょ?」といわれてから 私は桐乃さんがすごく喜ぶのもあって、お姉ちゃんと呼んでたんだけど、さすがにこの歳になってまで お姉ちゃんと呼ぶのも抵抗があって中学生になった頃から桐乃さんと呼んでいる。 すごく美人で、才能もあってあこがれちゃうな 「おはよう、綾乃ちゃん。朝ごはんもうすぐできるわよ」 「今日は入学式だな、綾乃ももう高校生か」 「はい!」 この人たちは私のおじいちゃんとおばあちゃんです。とってもやさしくて大好き 「綾乃ちゃん、祐介を起こしてきてくれる?」 「はい、わかりました」 桐乃さんにそういわれ私は、再び2階にあがる 祐介とは高坂祐介と言って桐乃さんの1人息子で私の従兄にあたります 学年は一緒なんだけど私は早生まれなので、年齢は私のほうが1つ下になります それもあって小さいころからお兄ちゃんと呼んでたんだけど、最近人前ではお兄ちゃんとは呼ぶなと言われるので 祐介くんと呼ぶことが多いです。 コンコン 「祐介」と書かれたプレートがかけられたドアをノックします この部屋は昔お父さんの部屋だったらしいです。 「お従兄ちゃん起きてる?」 返事はありません 「入るよぉ」 私は部屋の中に入っていきます、どうやらまだ寝ていたようです 私はまずカーテンを開き、肩を揺すります 「お兄ちゃん起きて、朝だよ、入学式遅刻しちゃうよ」 「ううん、あと5分」 「だめ!早く起きて!」 私は布団を剥ぎ取ります 「寒!!、おい綾乃何すんだよ」 「いいから早く起きて、もう朝ごはんもできるよ」 「わかったよ」 お兄ちゃんは起き上がってパジャマを脱ぎ始めました 「わっ!いきなり脱がないでよ!」 「男の裸なんてハズカしがるようなものじゃねーだろ」 「だっ、だからって」 「わかったよ、ごめん、謝るから。先に降りて待っててくれ。すぐに降りるから」 「うん、急いでね」 私は背を向けたままドアを閉め、そっと胸を押さえます ううまだドキドキしてるよ、顔も熱いし 気を取り直してリビングに降りて待ちます 「おはよう」 「おはよう祐介」、「うむ、おはよう」、「おはよう祐介、綾乃ちゃんに変なことしてないでしょうね」 「してないよ!まったく」 「私たちもあとから入学式見に行くからね、京介から写真とビデオ撮っておいてくれって頼まれてるから」 「はい」 お父さんたち楽しみにしてたもんな 「あのバカ兄貴はいつまでたっても娘離れできないよね」、「娘のいる男親とはそういうものだ」 そんな楽しい会話を朝からして、私たちは家を出ます。「いってきまーす」、「いってきます」 今日から高校生活が始まります、初めてお兄ちゃんと同じ学校に通うことになってうれしいな 楽しい毎日になるといいな。そんな風に思いながら私は歩を進める。 「それじゃ、お父さんたち行ってくるからな」 「おじいちゃんたちに迷惑かけないようにするのよ」 「もぉ、そんなことわかってるよ。私もう高校生だよ」 綾乃は、ふくれっつらをして拗ねる 「はは、そうだな。親父、綾乃のこと頼んだぞ」 「ああ、母さんも楽しみにしているようだ、任せておけ」 「すみません、お父様にご迷惑をおかけして、この子がどうしても日本にいたいというものですから」 「かまわんよ、友達と離れて知り合いが誰もいない外国に行くのを嫌がるのはこの年頃なら当然だ」 「搭乗のアナウンスだ、行かないと。」「そうね。綾乃お祖父ちゃんたちの言うことよく聞くのよ」 「うん、わかってるよ、行ってらっしゃい」 俺たち夫婦は空港に見送りに来ていた親父と綾乃に手を振って、搭乗口へと向かった。 いきさつは、こういうことだ 昨年、会社からニューヨーク支社への転勤を命じられた。期間は2年間 家族で話し合った結果、俺を単身赴任させるのは心配だからと妻はついて行くという結論になった 問題は綾乃だったが、日本を離れるのは嫌だと譲らず、泣かれてしまったので 俺は親父に頼んで、高坂の実家で預かってもらうことにした。綾乃も志望校を高坂家に近い俺の母校に決めた 綾乃の友人も何人か志望校にしていたようなので、本人曰くちょうどよかったとのことだ。 祐介のやつに電話で同じところを志望校にしたと、うれしそうに報告していたのを見て 少しイラついたのは、秘密にしておいてくれ。 そんなこんなで、飛行機に乗り込み俺たちは席についた 「ほんと、悪いな。お前までついてくることになってしまって」 「かまわないわよ、あなた一人だと心配だもの」 「そうか」、「ええ」 そして、飛行機は離陸し、俺はもの思いにふけっていると、あの時のことを思い出してしまった。 大学を卒業し2年目になるころのことだ 「そっか兄貴、結婚決めたんだ」 「ああ」 「うん、おめでと」 「ありがとよ」 俺と桐乃はとあるホテルのレストランにいた 桐乃から久しぶりに会おうよと言われ呼び出されたのがここだ 「それじゃパーッと飲もうよ。ね」 「わかったよ」 それから、俺たちは互いの近況報告をしたり、話に花を咲かせていた 「うう、飲みすぎたかな。ふらふらする。」 「おい、しっかりしろよ」 そういいながら、俺もかなり足元がおぼつかない状態だ 「仕方ねーな。桐乃ここで少し待ってろ」 この状態で帰るのは無理だと判断した俺はフロントへ行って泊まれるかきいてみることにした 幸い、部屋は空いていたので、俺は1晩泊まっていくことにした 「おい、桐乃、まだ寝るな、部屋とったから行くぞ」 「ううん」 俺たちはそんなこんなで兄妹2人で1晩を過ごすことになった。思えばこれが桐乃の策略だったんだよな。 「ほら、ついたぞ。大丈夫か? 俺は備え付けの冷蔵庫からミネラルウオーターを出して桐乃に飲ませてやる 「はぁ、ありがと、だいぶ楽になった」 「そっか、そりゃよかったよ」 「あたし、シャワー浴びてくる」 「大丈夫か?」 「大丈夫だから」 桐乃が風呂へはいったあと、俺も冷蔵庫から飲み物をだし飲む 「ふう。そういえば前にもこんな風に桐乃とホテルへ入ったことあったな。あの時はラブホだったけど」 そうこうしてると桐乃がバスローブ姿で出てくる、俺もシャワー浴びるとするかな 「俺もシャワー浴びてくるから、先寝ていていいぞ」 「そっ、わかった」 俺が出てくると桐乃はテレビを見ていた 「なんだ寝てなかったのか」 「みたいアニメがあったからね」 こいつもかわらねえな 「そうかよ」 「ねえ、兄貴お願いがあるの」 「なんだよ、突然」 「あたしを抱いてよ」 「へ?」 なっ!こいつ今なんていった?冗談にしてはたちがわりいぞ 「あたしからの最後のお願い、あたしを抱いて。」 「おい、冗談はよせよ、俺をからかうのもほどほどに、うむぅ」 こいついきなりキスしてきやがった、しかも舌まで入れてきやがる 「お願い!このまま兄貴が結婚したら、あたし一生後悔する」 「これまで誰とも付き合わないで、兄貴だけを見てきたの!だから、だから」 「これが最後でいいから、あたしの初めてを兄貴に奪ってほしい!そうしたらあたしも覚悟を決められるから」 「お願い!お願いだから ぐす、ひっく、ぐす」 こいつ、そんなこと考えてやがったのか。俺はこいつにそんな思いをさせてきてたのか。 思えば、俺も桐乃も酔っていたのもあったんだろう。こんなに感情をだして雰囲気に流されてしまうなんて 冷静に考えればありえないことだった。だけど今更そんなこといってもどうにもならない。 起こっちまったことは取り消せないんだから。 「わかった、これだけお前を思いつめさせたのは俺の責任だ」 「だけど、本当にいいんだな?」 「うん、お願い」 くぅぅ、こいつなんてかわいい表情しやがるんだ 俺は桐乃のバスローブを脱がし、そのままショーツも取去る 桐乃の乳首とアソコを弄り、十分に感じさせてた頃には俺のアソコももうギンギンになっていた 「はぁ、はぁ。兄貴のそれすごいことになってるね」 「っ、仕方ねえだろ。俺だって男だこんなことしてりゃなるさ」 「ねぇ兄貴もう、いいから挿れて」 「本当にいいんだな?」 「うん」 俺は桐乃の膣口にあてがい腰を落として挿入していった 桐乃は痛みからか涙を流していたが、まったく痛いとはいわず、うれしそうな顔をしていた おれはふと、挿入口のあたりを見ると、結構血がついていた。 「お前、本当に初めてだったんだな」 「あたりまえじゃん、兄貴よりあたしのこと大事にして、守ってくれる男なんていなかったんだから」 「そっか」 うれしいこといってくれるぜ。兄貴冥利につきるな。こんな風に思うのも俺が重度のシスコンだからだろうか 「桐乃動くぞ」、「うん、いいよ」 俺は夢中で腰を振った、桐乃は痛いだろうに、俺を喜ばせようと自分から動かしたりしている 「くっ、だめだ!もう出る!」 「っ、お願い!中で出して!、初めては中で出してほしいの!」 「なっ!バカなこというな。」 「やだ!」桐乃は俺の腰に脚を絡みつかせてくる 「おい桐乃!、ぐぅだめだ。もう出る!」 「あああ、はぁはぁ兄貴のが出てるのわかる、お腹の奥熱い」 それから俺のが萎えて桐乃から抜いたあと、俺は桐乃を問いただした 「どういうつもりなんだよ。」 「どうしても初めては兄貴のを中に欲しかったの!悪い!」 こいつ、開き直ってやがる 「もし、できちまったらどうするんだよ!」 「いいよ!産むもん!あたし一人でも育てて見せる!」 「おまえ・・・」、「疲れちゃった、ねぇ腕枕してよ。今晩だけは恋人のようにさせて」 「はぁ。わかったよ」 俺は桐乃のお願いを聞いてやり、朝まで腕枕をしてやり、眠りについた それから2か月後、俺は結婚した。 式では桐乃も盛大に祝福してくれた。一番喜んでくれてるように見えたのは桐乃だった それからしばらくしてからのことだ。 俺は仕事中にかかってきた妙に真剣な声の桐乃からの電話で喫茶店に向かった。 このとき俺はなにか嫌な予感はしていた 「それで、仕事中に呼び出すなんて、いったい何事だ?」 「兄貴、あのさ。まず、何を聞いても絶対に驚かないって約束して」 「あ、ああ」 「あのさ、あたし。妊娠してるの。兄貴の子供」 「え?」「だから声出さないで。」 「あ、ああ悪い」「って妊娠?俺の子供?」 「そっ。あの時の子供。今3か月目だって。」 「少し前から妙に気分悪いし、あれも来ないからおかしいなと思って、病院に行って確かめてきたの」 「どっ、どうするんだよ!」 「どうするって?産むにきまってるじゃん。あの時も言ったでしょ」 「でっ、でもよ。親父たちにはなんていうんだよ」 「大丈夫、言い訳は考えてあるから」 「それで兄貴に言っておきたいことがあるの」 「なんだよ」 「この件に関しては一切かかわらないで。あたしだけで何とかするから」 「もし、兄貴になにか聞いて来る人がいても俺は何も知らない。」 「そんなこと聞いて驚きだって感じで通して欲しいの」 「なに言ってんだよ俺の子供だろ」 「だから!、兄貴の子供だから、あたしは守りたいの。この子は絶対に産む。兄貴には迷惑かけないから」 「読モは大学卒業したらやめるつもりだったし、そっちに関しては大丈夫」 「親や友達にはあたしからうまく言うから。お願い、決心をぶれさせないで。」 そういう桐乃の顔は今まで見たこともないほど、真剣で強い決意を感じさせられた 「だから、兄貴は普通に新婚生活続けてよ、怪しまれないように。」 「しばらく、あたしとも連絡は取らないようにして」 「わかった。だけどなんかあったら必ず言うんだぞ。俺も覚悟はするから」 「うん」 それからが大変だった。まぁ俺は人から聞いた断片的なことしか知らないんだけど かなりゴタゴタしたみたいだ お袋たちから聞いた話だと 桐乃は大学で知り合った男とそういう関係になって、子供ができたといったらしい その男は自分の夢をかなえるために、大学を中退してアメリカにいったという そのときに桐乃にもついてきて欲しいといったが、日本から離れたくないということで別れたとのことだ 桐乃はその男の夢の邪魔はしたくない、子供のことで困らせたくはない 「この子は自分一人で育てる」と親父たちに言い放ったらしい その強い決意をにじませた表情にお袋は気圧されたと言っていた、親父もきっとそうだったでしょうと 親父は大暴れして、男を探し出そうとするかと思ったけど、「勝手にしろ!といっただけだったらしい」 俺のところには、桐乃から話を聞いた、あやせや瑠璃が俺が何か知っているのではないかと 訝しげに問いかけてきたが、桐乃に言われたとおり知らぬ存ぜぬ、俺もお袋から聞いて驚いてると答え 決してボロを出すようなことはしなかったし、周りの反応を見る限りボロを出していないと確信できる。 沙織や麻奈美は特に詮索するようなこともなく桐乃の身体を気づかったという それからしばらくたち、産まれるのが近づいてくると一番気にしていたのは、なんと親父だったというのだ お袋だけにいったというのだが、親父は「俺が桐乃の子の父親代わりになってやる。決して不自由はさせない」 と言ったというのだ。これを聞いたときは俺も驚いたね。よほど娘がかわいいのかね。 今になって思えば初孫が生まれるということもあったのかも知れない。生まれてからの可愛がり方は凄かったからな。 祐介という名前を決めたのも親父らしい 桐乃とお袋が子供の性別がわかったと話をしていたのを聞いたらしく、その後命名の本とか買い込んで なんども字を書いて眺めていたというのだ。 俺が久しぶりに桐乃と顔を合わせたのは祐介が生まれてからだ。 病院に見舞いに行ったときだな。その時に桐乃から言われたよ。 「あたしは、あの子の父親が本当は兄貴だってことは一生誰にも絶対に言わない。 あの子にも一生話すつもりはない。だから兄貴も一生誰にも話さないで」とな それから数ヵ月後の3月に俺の娘綾乃が生まれたというわけだ。 桐乃のやつがあの2人をくっつけたがってるのは、きっと 自分ができなかった、名実ともに兄妹での結婚を実現させたいとか思っているのだろう。 そんなことを考えながら俺は、眠りについた。 俺たちは高校へ向けて並んで歩き出した、さわやかな朝の風が気持ちいい 春らしい緑のにおいもする 「祐介くんと、一緒に登校できるのは初めてだからなんかうれしいな」 隣を歩く、綾乃が俺にうれしそうに話しかけてくる。 腰まで伸びた長い黒髪が綺麗で、可愛い表情をされると、地がいいものだからかなりドキっとする。 「まぁ、一人で登校するよりは楽しいかな」 そんな風に会話をしながら登校した俺たちは、クラスわけが張り出された掲示板に向かう そこには人だかりができていて、見に行くのは大変そうだった 「うわぁ、これ見に行くの大変そう」 「俺が行ってくるよ、綾乃はちょっとまってろ」 そういって俺は駆け出した。ちょっとカッコつけたみたいで恥ずかしい 「うわぁこれは大変そうだな、え~と、うお!く、苦しい。」 なんとか見える位置までこれたぞ、どれどれ 「高坂、高坂、1組にはないな、2組はっと。お、あった高坂。って同じクラスかよ」 さて確認できたし戻るか 「はぁはぁ、同じクラスだ、2組だったぞ」 「そっか、ありがと」 「それじゃ行くか」「うん」 教室に入ると、まだ席は決まってないので適当な席に座る、綾乃も隣に座ってきた この入学式前の独特な緊張感はなんともいえないものがあるな 「綾乃、この高校に友達何人か来てるんだよな?クラスにいるか?」 「ううん、この中にはいないな。祐介君は?」 「俺も今のところはいねぇな」 「あっ高坂じゃん」 「え?」「え?」 「よっ同じクラスみたいだな」 「赤城、お前もこのクラスなのか」 「ああ、もう何年連続だ?いい加減腐れ縁だよな」 「小学低学年の頃から同じだからな」 「ところでその隣の女の子はどういう知り合いだ?なんか親しく話してたけど」 「ああ、話したことあるだろ。俺の従兄妹だよ。」 「そういえば、同じ高校に合格したって言ってたな」 「へぇ可愛い子じゃないか、ホントお前恵まれてるよな」 「んなことねぇよ。そういやここのサッカー部の監督お前の親父さんなんだよな?お前も入るのか?」 「まぁな。やりにくいっちゃ、やりにくいが公私のけじめは付ける親父だしさ問題ないだろ」 そんな話を赤城としている間に綾乃の友達も登校してきたようで、楽しそうに話している。 キーンコーン 「チャイムだ。じゃまたあとでな」 鳴り終わるのとほぼ同時に、教師が入ってきた。 メガネをかけた、やさしそうな女性教師だ・ 「みなさん、おはようございます。私がこのクラスの担任の田村麻奈美です」 そして、連絡事項を聞いたあと、入学式場に移動する 入場するときに見えたが、朝言っていたとおり、うちの家族はみんな来ているようだ 長い話を聞き終わり、途中俺が新入生代表挨拶をし、式場から教室へと再び移動する 諸々の今後の予定などのプリントをもらい、自己紹介をして、説明を聞いた後今日の予定は終わった 「さて、部活は今日はまだないから、帰るか」 「そうだね」 「高坂またな」 赤城が挨拶してくるので俺も椅子に座ったまま軽く手を上げて挨拶を返しておく 「ああまたな」 綾乃のほうも友達とまたねとか言い合っていた 「あっ、高坂君、高坂さんちょっといいかな?」 俺たちは廊下に出ると、後ろから先生に声をかけられた なんだろ? 「え?はいなんですか?」綾乃が問い返すと 「2人ってもしかして、高坂京介さんと、桐乃さん知ってる?」 「え?えっとはい、こいつが京介さんの娘で、俺は高坂桐乃の息子ですけど。」 俺はそう返答し、先生に問い返す 「えっと、先生は俺たちの親知ってるんですか?」 「あっうん。幼馴染みだったんだ。お互い忙しくて、もう結構長い間疎遠になっちゃってるけどね」 「そうだったんですか」 どうりで俺は見覚えないわけだ、隣をちらりと見るとこっちも見覚えはないといった顔をしていた 「でも、うれしいな2人の担任になれるなんて。これも何かの縁だし1年間よろしくね」 「あっはい」「はい、よろしくお願いします」 「じゃあね」手を振って先生は生徒でごった返す廊下を歩いていく 「まさか、お父さんの知り合いが担任の先生なんてビックリだね」 「ああ、正直驚いたよ」 ホント世間は意外と狭いのか? 帰り道を二人で並んで歩く、日差しが暖かくていい気持ちだ 綾乃も、同じみたいで、手を顔の上にかざして空を見ていた。 こういう仕草がすげえ似合うよなこいつ。 「ほら、早く帰ろうぜ」 俺たちは再び並んで住宅街を歩いていった 「ただいまぁ」 俺たちがリビングに入ると3人とも帰ってきていて昼食が用意されていた 「お帰り、お昼できてるわよ。早く着替えてらっしゃい」 「は~い」 綾乃がうれしそうに階段を上っていき、俺も後につづこうとすると 「祐介、立派な新入生代表だったね、さすがあたしの息子」 「ああ堂々とできていたな」 こうしてほめられるとなんだか照れくさいな 「まぁ。あれくらいこれまで小中と何度もやってるから、なんてことないしな」 うわあ、照れ隠しで何気に余計恥ずかしいこといっちまった。 部屋に入ると、さっさと着替えを済ませ、食事に向かった 食後、俺はてもちぶさたになっていた 「ぐああ、暇だ!春休みの間に漫画もゲームも積んでたのはほとんど消化しちまったしなぁ」 さてどうするか 俺はベッドの上で寝転んだまま考える ゲーセンにでもいこうかな、そういや綾乃は何してるだろ 対戦相手ができたことだし、あいつと対戦ゲームでもしようか よし、呼びに行くか 「おーい、いるか?」部屋の扉をノックして声をかけると、ドアがゆっくりと開いた 「どうしたの?」 「いや、暇をもてあましててさ、よかったらゲームの対戦相手してくれないか?」 「うん、いいよ。」 2人で俺の部屋に向かいながら聞いてみた、「お前はさっきまで何やってたんだ?」 「まだ、荷物が全部片付けられてないから、片づけしてたよ」 「手伝おうか?」何気なく言ってみると、赤くなって 「い、いいよ、大丈夫一人でできるから」 「ぼそ・・・見られたら恥ずかしいものもあるんだから」 「ん?最後よく聞こえなかったけど」 「なっなんでもない」 さてなにやろうか 「いろいろあるけど、どれやる?」 「まずは。これなんかどうかな?」 選んだのはいろんなゲームのキャラが選択できる複数対戦もかのうな格闘系のゲームだ」 「おっこれか、俺結構強いぞ」 「そうなんだ、私も何度か友達とやったくらいだけど結構自身あるよ」 「いったな、勝負だ!」 意気込んで得意なキャラを選んで勝負にいどんだが。 ギタギタにやられました。あれ?まったく動けなかったんだけど。 「今のは肩慣らしだ、次は本気で行くからな」 結果、俺はほとんど身動きすることもできずにやられた。 あ、あれ? その後シューティングやレーシングとジャンルを変えて勝負したが全く勝てる気がしない 中にはやったことがないというゲームでも勝負したが序盤は俺が押していても、最後には負けていた 「また、私の勝ちだね。」 「くっそぉ、お前強すぎるだろ」 「ふふん、才能の差かな」 俺は寝転がり、ちょっと拗ねて見せる。くそお、かなり悔しいぞ。 その後、夕食を終えて、風呂からも上がり、トイレに入ろうとしたとき事件は起きた 扉を開けた瞬間、俺の時間は止まったかと思った、いや、それくらい時間の流れがゆっくりに感じたんだよ たぶん向こうも同じだったろうな、俺の顔を見て完全に固まっている。 なんというか、目の前にスカートと下着を下ろしてる綾乃の姿があったわけだよ。 なんというか、眼福の光景だった。女の子の、その、大事な部分が見えてるんですよ。 だけどそんな眼福な光景もいつまでも見ていることができるわけないよな 俺は、我にかえると、あわてて扉を閉め、捲くし立てるように謝る。 「わ、悪い!、ま、まさか入ってるとは思わなくて、鍵もかかってなかったし!」 「「本当にごめん!」」 やばい、これはやばいぞ、漫画とかゲームでならラッキースケベとかで済まされるけど リアルでこれはやばい!! すると、水を流す音が聴こえたので、俺は慌てて、ドアの前から離れる そっとドアが開き、伺うようにドアを開けて出てきた 俺は硬直していたが、こちらを向いた瞬間に、いきなり土下座をした。 「「ご、ごめん!、本当に悪かった!」」 すると、しゃがみこむような気配がして、俺の肩にそっと手が置かれる ゆっくりと顔を上げてみると、赤い顔をして 「も、もういいから。これは事故だし、私もつい鍵かけ忘れたし」 「お互い忘れよ。ね。」 それだけ言って、足早に部屋へと向かっていく その場に取り残された俺は、呆けたまま、その行方を目で追っていた。 「ビンタくらいは覚悟してたけど、助かったのか?」 そう一人つぶやいて、部屋へと向かった。 ベッドに寝転んで目を閉じると、さっきの情景が鮮明に浮かぶ 慌てて頭を振るが、それは消えてくれなくて。 「忘れようったって無理だろ」 「エロ本で見るのとは、ぜんぜん違ったな。なんていうかすげぇ綺麗だった。」 そう呟いて俺は再び目を閉じる。 これからもこんなハプニングがあるのだろうか? 今日の出来事を一瞬思い浮かべる 俺の高校生活はいろいろとこれまでとは大きく変わった毎日をすごすことになりそうだ そんなことを考えながら、俺は眠りについた。
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/442.html
924 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/28(火) 17 24 09.67 ID 3HglxMaxo 夏休み、二十日目 名前:兄貴[] 投稿日:2011/08/10(水) xx xx xx.xx ID xxxxxxxxx さて、夏休みも残すところ1/3だ 次≫933 933 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/28(火) 17 30 59.25 ID MYRwn1Wdo 家族で食事に両親へコンドームをプレゼント 938 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/28(火) 17 33 12.31 ID MYRwn1Wdo ようやく両親へ親孝行できるな 大介には迷惑をかけすぎたからな 939 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/28(火) 17 34 05.48 ID HzlNg7VAO ≫933 なんつぅ爆弾を… 942 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/28(火) 17 36 50.31 ID qHzPUd5Fo 桐乃必死ワロタwwwwwwwwww 945 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/28(火) 17 54 43.87 ID CjSueZ8DO パスはきりりんの名前だったのか? とにかく桐乃かわいいよ桐乃 951 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/28(火) 18 36 29.16 ID p0QEl0kIO 桐乃の好感度高えw 952 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/28(火) 18 47 11.32 ID yRr27yJ30 一度は-6まで下がってたはずなのに… 953 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/28(火) 18 59 25.41 ID 4FjVqR9Vo とうとう高感度トップだった加奈子を追い抜いた・・・・だと・・・・・!? 959 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/28(火) 19 38 58.34 ID mz8xBw/IO 桐乃爆釣りでワロタwwwwwwwwwwww もうだめだこいつwwwwwwwwww 980 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/29(水) 16 41 01.61 ID VI0bNXsQo 「気まずいなんてレベルじゃねえぞ」 親父たちが現役でないならまだしも、もし現役であってみろ。 “色々と聞こえてるくるからやるなら静かにお願いします”というメッセージと取られかねんぞ。 そもそもからして、食事中に渡す意義がわからねえ。 「まあ、いい。今回は割とすんなり誤魔化し方を思いついたからな」 ふっ、まあ見てろって。俺の危機回避能力をな。 例によって、勢いで誤魔化す方針なのは変わらないけどな。 早々にリカバリー方法を思いついた俺は、早速朝のコンビニへと走った。 「親父、お袋。渡しておきたいものがあるんだ」 家族そろっての朝飯時に、俺はそう切り出した。 「む……なんだ?」 「プレゼント? 京介にしては珍しいじゃない。でも、今日って何かの記念日とかだっけ?」 「記念日か。確かにそう言っても差し支えない」 正直ふざけ半分でないとやってられないが、そこをぐっと堪え、深刻な顔で語りだす。 「俺、ようやく気付いたんだ。だから、何も言わずこれを受け取ってくれ」 そう言って、近藤さんを差し出す俺。 「「「ぼふぉあ!」」」 味噌汁、お茶、米粒をそれぞれ吹きだす親父にお袋、そして桐乃。 「京介、貴様! 朝からなんの冗談だ!」 「冗談じゃねえ! こんな真似冗談でできるか!」 俺の、まっとう?な反論に。思わず「む……」と押し黙る親父。 桐乃は口をぽかんと開けて思考停止状態に陥っている。 そらそうだろう。兄貴が、何をとち狂ったのか、朝飯時、家族の前でいきなり近藤さんを取り出すんだもんな。 考えるのを放棄したくなるのもわかるよ。 「俺、やっと気づいたんだ」 「き、きき、気づいたって何を?」 なぜか異様に動揺するお袋。 「俺の妹は桐乃一人だってことに!」 「「……はあ?」」 「何を言っとるんだ、京介」 一転して、全員が同じようなリアクションを取る。 呆れたような、不可解なものを見たような……もっと端的に言うと、「暑さで頭でもやられたのか?」みたいな表情。 「……次の休み、クーラー買いに行くとするか。流石に、京介の部屋だけクーラーなしは可哀想だったな」 「ええ。そうしましょうか」 「うん、そうしてあげて」 「待ってくれ、俺は正気だ」 981 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/29(水) 16 41 30.05 ID VI0bNXsQo 俺の言い訳タイムはまだ始まったばかりなんだぜ? 頭のネジが吹っ飛んだ判定を下すのは早計というもの。 最後までしっかり聞いてから判断してくれ。 「俺の妹は桐乃一人なんだよ」 「はあ? そんなの当たり前じゃん。お父さんに隠し子がいるわけないし」 「そうじゃねえ」 “俺の妹は桐乃一人” これの意味はそうじゃねえんだ。 「俺の妹は桐乃以外に務まらない。俺は桐乃以外の妹は欲しくないって意味なんだよ!」 「!」 俺の言葉を聞いた瞬間、桐乃はまるで雷に打たれたかのように体をびくりとさせた。 しかし、一方の親父たちは急速に冷静さを取り戻し始めた。 「だから、親父たちにこれを渡すんだ! 親父たちが現役かどうかは知らんし、そんなことは関係ない!」 俺は、桐乃以外の妹なんて欲しくない。その決意の証としてこれを渡すんだ。 「俺は! 桐乃を! 妹として! 愛しているんだああああああ!!」 言った……言ってやったぞ! 一部の隙もない完璧な言い訳だ。 「あんたたち、いつの間にかすんごく仲良くなってたのね」 「京介。桐乃のことは頼んだぞ」 親父たちも、見ているこっちが微笑ましいくらいのほくほく顔だし、今回の危機回避っぷりは今まででも最高位に位置するんじゃないだろうか。 そして、当の桐乃本人はというと、 「あ、あんた……それ、本気なの?」 「当たり前だ。……最初に言ったろ? 冗談でこんなことできるか――って」 「うん……うん!」 夏休み、二十日目。朝パート 安価成功 名前:兄貴[] 投稿日:2011/08/10(水) xx xx xx.xx ID xxxxxxxxx 俺の危機回避っぷりも板についてきた感があるな まあ、俺にかかればこんなもんさ! と、今まではここで調子に乗って「何でも来い!」と言って痛い目を見てきたわけだが今日は違う 昔の人は言いました。勝って兜の緒を締めよ ふははは! 今の俺に不可能はない! 何でも来いやああ! ≫990 989 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 16 47 44.06 ID 1TacEOtSo 桐乃の部屋に聞こえるように そうだ桐乃は妹なんだ、妹なんだ、でも俺はあああああと 身悶える声を出す 990 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 16 47 45.61 ID xRBYE6TxP 妹に真正面からハグしてみる 991 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 16 47 47.30 ID IhB7yA2O0 パイタッチ 992 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 16 47 49.25 ID qNa2jNCDO フェイトさんに夜道襲いかかる 996 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 16 52 07.85 ID khhe+6hDo ≫989-992がデッドヒートすぎるだろJK 7 名前: ◆ujI5ti/TD4Mo[saga] 投稿日:2011/06/29(水) 17 27 48.38 ID VI0bNXsQo 「てっきり鬼畜安価が来るかと思ったぜ」 あれだけフラグびんびんだったのに。 珍しいこともあるもんだ。 ……勘違いしないように言っておくが、鬼畜安価が欲しいわけじゃないぞ。 「お~い、桐乃。ちょっと用があるんだけど」 桐乃の部屋の前に立ち、ノックと同時に室内の桐乃にそう呼びかけた。 「なに? どうしたの?」 ほどなくして桐乃が部屋から顔を出す。 俺は桐乃の問いにはなにも答えず、そのまま桐乃を抱き寄せ、そして―― 「桐乃! 桐乃! 桐乃! 桐乃ぉぉおおおわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!桐乃桐乃桐乃ぉおおぁわぁああああ!!! あぁクンカクンカ! クンカクンカ! スーハースーハー! スーハースーハー! いい匂いだなぁ…くんくん んはぁっ! マイシスター・桐乃たんの綺麗な栗色の髪をクンカクンカしてるお! クンカクンカ! あぁあ!! 間違えた! モフモフもしないと! モフモフ! モフモフ! 髪髪モフモフ! カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!! 『ありがとう』って言ってきた桐乃たんかわいかったよぅ!! あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!! アニメ2期はまだですか桐乃たん! あぁあああああ! かわいい! 桐乃たん!かわいい!あっああぁああ! デレ分増大がマッハすぎて嬉し…いやぁああああああ!!! にゃああああああああん!! ぎゃああああああああ!! ぐあああああああああああ!!! ブラコンじゃない桐乃なんて現実じゃない!!!! あ…デレない桐乃も暴力的な桐乃もよく考えたら… 兄 嫌 い の 桐 乃 ち ゃ ん は 現 実 じ ゃ な い? にゃあああああああああああああん!! うぁああああああああああ!! そんなぁああああああ!! いやぁぁぁあああああああああ!! はぁああああああん!! 隣の部屋ぁああああ!! この! ちきしょー! やめてやる!! シスコンなんかやめ…て…え!? 聞い…てる? 目の前の桐乃ちゃんがこれを聞いてる? 目の前の桐乃ちゃんがこれを聞いてるぞ! 桐乃ちゃんがこれを聞いてるぞ! 目の前の桐乃ちゃんがこれを聞いてるぞ!! ブラコンの桐乃ちゃんが僕に抱かれてるぞ!!! よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ! いやっほぉおおおおおおお!!! 僕には桐乃ちゃんがいる!! やったよ黒猫!! ひとりでできるもん!!! あ、兄貴大好きの桐乃ちゃああああああああああああああん!! いやぁあああああああああああああああ!!!! あっあんああっああんさ沙織様ぁあ!! ま、麻奈実!! あやせぇえええええ!!! ブリジットぉおおお!! ううっうぅうう!! 俺の想いよ桐乃へ届け!! 俺の腕の中の桐乃へ届け!」 夏休み、二十日目。昼パート 安価成功 名前:兄貴[] 投稿日:2011/08/10(水) xx xx xx.xx ID xxxxxxxxx 安価+αを実行したら妹が固まった いったい何がいけなかったのか…… 懲りずに次いってみようか ≫15 15 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 17 34 28.08 ID LfoPs/yYo 沙織に「また沙織の家に泊まってお前の背中を流したいけどいつがいいかな?」というメールを送る 桐乃とこの安価の下の安価で悪戯対象になっているキャラにも同じ文章のメールを送る 16 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 17 34 29.05 ID mLqYhkpTo 加奈子に結婚を前提に付き合ってくれないか頼む 21 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 18 10 01.59 ID BigSbsnAO 沙織、桐乃、加奈子にメールか… 吉と出るか凶と出るか 22 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/29(水) 18 44 58.48 ID VI0bNXsQo 「なにこの微妙に鬼畜な安価」 桐乃と加奈子に送る必要性が全く見当たらないんだけど。 加奈子は沙織のこと知らないし、問題ないっちゃないけどな。 「問題は桐乃だよなあ……」 メール見た途端、怒り狂いそうだ。 『また沙織の家に泊まってお前の背中を流したいけどいつがいいかな?』 宛先に桐乃、沙織、加奈子のアドレスを入力し、送信ボタンに手をかける。 このボタンを押してしまえば、楽に……楽になれるんだ! 「ええい、ままよ!」 悩むこと20分。 俺は清水の舞台から飛び降りるような心境で、ついに送信ボタンを押した。 <ソンナーヤサシクシナイデ♪ バン! バタバタバタ! バン! 「ちょっと、あんたこれどういうこと!?」 送ってからまだ1分も経っていないというのに、鬼の形相で俺の部屋へと乗り込んでくる桐乃。 「ど、どうもこうも……そういう意味だ」 ここでとぼけるような真似はしない。 ネタが上がってるんだからとぼけるだけ無駄なのだ。 って言うか、ネタが上がってなくても俺は素直に白状していただろう。 今の桐乃は目が血走っていて、有無を言わさない迫力がある。 まるで親父そっくりだ。……こんなところまで似ないでくれ。 だが、ここからは俺のターンだ。 言い訳なら、既に考えてあるんだぜ! 「実はな……俺、巨乳好きなんだ」 「は? いきなり何を……」 「俺、前に沙織に飛びついたことがあったろ?」 秋葉の駅で、「おまえの胸が一番好きだ」と叫んで沙織に飛びかかったあれだ。 「それがなんなの!? っていうか、今思い出した! 余計今回の件に関して追及しなきゃいけなくなったんだけど!?」 「いいか、一度しか言わねえからよく聞けよ! 俺は! 巨乳な桐乃が見たいんだよ!」 「うえぇ!? な、何言ってんの!?」 「桐乃だって小さくはないが、サイズ的には沙織のがベストだ! 俺の好みど真ん中なんだよ! だがなあ、俺が見たいのは沙織の胸じゃない! 桐乃、おまえの胸が見たいんだ! だけど、兄妹でそんなこと頼めるわけがない! だから俺は沙織に頼んだんだ! あ、別に直接見たわけじゃないぞ。水着着てたし。……沙織にとっては失礼な話さ! だけど、あいつは笑って許してくれた! 俺が妹に手を出してしまわないように! 俺が道を踏み外してしまわないように!」 ここまで、一息で言い終えた俺は、息も絶え絶え、ハアハアと肩で息をしている。 もはや、支離滅裂で何が言いたいかも定まらない。 「……要はなあ! 俺は巨乳なおまえが見たいんだ! わかったかああああ!」 「…………だ、だって……まだ中学生だもん」 桐乃は真っすぐ下を向き、なにやらぶつぶつと呟いている。 「兄貴のばかあああ!」 「あっ! ま、待つんだ桐乃!」 桐乃はそのまま部屋を飛び出すと、自分の部屋ではなく、1階へと降りて行った。 「桐乃…………ん?」 気が付くと、携帯に2件のメールの着信があった。 携帯を操作し、メールを開く。一つ目のメールの差出人は加奈子だった。 『おい、沙織って誰だよ。女か? 加奈子よりかわいいなんてありえねーとは思うけど、沙織って誰だよ。ていうか背中流したってどういうことだ、コラ? ていうか沙織って――』 「……沙織の正体について食いつきすぎだろ」 いったい何がそんなに気になるのか……。 もう一つのメールを開くと、それは沙織からの返信だった。 『拙者はいつでも構わないでござる。むふふ、どうやら京介氏も拙者の身体の虜になってしまったようでござるな』 「……ああ、こいつはそんな奴だったよな」 23 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/29(水) 18 45 25.41 ID VI0bNXsQo 翌日。 「京介、ちょっと買い物行ってきて」 「えぇ、俺が行くの?」 「カリビア――」 「行ってきます! ……で、何買って来ればいいんだ?」 「牛乳。この間買っといたはずなのに、もうなくなってるのよ」 そんなわけねえだろ。……お袋のことだから、この間っつってもどうせ1週間前とかなんだろうな。 夏休み、二十日目。夕方パート 安価成功 夏休み二十日目終了。 本日の好感度変動 桐乃 朝 +1 昼 +0.5 夕 +0.5(嫉妬補正) ――――――――― 計 +2 沙織 +1 加奈子 ±0 佳乃 +2 夏休み二十日目終了時の好感度 桐乃 +9 ※嫉妬心を自覚。今後のやりようによっては……? 麻奈実 +6 黒猫 +1 ※覚醒済み 沙織 +5 あやせ +1 加奈子 +6 ブリジット +4 日向 +3 ※眼鏡をかけるようになっている 珠希 +2 瀬菜 +5 フェイト +2 佳乃 +1 赤城 +2 大介 ※殺意の波動の気配がする「仏の顔も3度まで」残り…1回